「ちょっとPCを貸してください──」。こんなとき一瞬躊躇した経験はおありだろうか? セキュリティを保ったまま、他人にPCを使わせるときの設定方法。
「ちょっとPCを貸してください──」。来社したお客さまがインターネットに接続してデモンストレーションをしたいと言っているときや、同僚に少しだけPCを使わせてほしいと言われたとき、自分が普段使っているノートPCをそのまま渡していないだろうか。
こうしたノートPCには、業務で使っている各種ファイルが入っているのはもちろん、他人に知られてはならない情報がたくさん詰まっているもの。Webブラウザ1つ取ってみても、ついさっきまで業務でアクセスしていたサイトのURL履歴も残っているし、サイトパスワードも保存されているかもしれない。日本語IMEには(ATOKにもIME-2007にも)推測変換が搭載されつつあり、残された変換履歴から、入力していた文章も読み取れるかもしれない。
しかし「いや、私のPCを貸すわけにはいきません」と答えるのも忍びないものだ。
そうしたときのために、どんな設定をしておけば他人にPCを貸すときに、ある程度安心していられるか考えてみよう。
Windows XPなどでは、普段利用しているのとは別に新しいユーザーアカウントを作っておくのが簡単だ。「コントロールパネル」から、「ユーザーアカウント」を選び、「新しいアカウントを作る」。制限ユーザーにしておくといい。
その際は、スタートアップメニューもチェック。「all Users」のスタートアップメニューに入っているショートカットは別のアカウントでも自動起動してしまうため、新しいユーザーで起動させたくないアプリケーションがあったら、All Usersから移動させておこう。
単純にブラウザだけ──ということなら、別のプロファイルを作成して、そのプロファイルでブラウザを使ってもらうのも一案だ。Firefoxの場合、別のプロファイルを作れば、ブックマークや拡張機能も別々の、クリーンなブラウザとして起動できる。
方法は、スタートメニューから「ファイル名を指定して実行」を選び、「Firefox -p」と入力。プロファイル選択ウインドウで「新しいプロファイルを作成」を押し、できたプロファイルを選んで起動するだけだ。
ちなみにWindows XPで新しいユーザーを作った場合、Firefoxのプロファイルも新しいものになる。
もっと徹底的にセキュアにするなら、マイクロソフトが提供しているツールを使う方法がある。この「Windows SteadyState」は、もともと共有コンピュータをセキュアに使うために用意されたツール。教室やインターネット喫茶などで複数人が使うPCで、設定変更やアプリケーションのインストールを防げるほか、自宅で子供がコンピュータをおかしくすることを防ぐ──といった使い方が紹介されている。
また「ディスク保護機能」を有効にしておけば、設定を変えたりアプリケーションをインストールされたとしても、再起動するだけで元の状態に戻すことができる。
新しいユーザーアカウントを作り、Windows SteadyStateを使って設定しておけば、さらに安心な状態で他人にPCを使わせることができるようになる。
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