「seam carving」というアルゴリズムを使い、写真の中から特定の部分だけを自然に削除したり、ある人物の大きさを保ったまま、写真全体をリサイズできるWebサービスが「rsizr」だ。
フォトレタッチソフトの入門書で、必ずといっていいほど、やり方が紹介されているのが、“3人で映ってしまった写真から、1人を消してカップル写真にする”という事例だ。
不必要な人物をキレイに選択したり、スタンプツールを使ったりして、高機能なレタッチソフトを存分に使いこなすことができる(つまり、いい勉強になる)のも理由の1つだろう。もちろん、こうした写真加工のニーズがけっこうあるのかもしれない。
こうした加工を、いとも簡単に行えるWebサービスが「rsizr」(読み方はおそらく「りさいざー」)だ。
rsizrの使い方は簡単。タブメニュー左端の「Open Pictures」を押して画像ファイルをアップロードする。続いて右端のタブにある「preserve」を選択して、サイズを変えずに残したい部分を選択する。次に「remove」を選択して、今度は消してしまいたい部分を選択する。次はスライダーだ。左端と上端にあるスライダーをそれぞれ反対側まで移動する。
とたんに、画像に赤い線が引かれ、サイズが縮まっていくはずだ。この赤い線が、写真の中の対象物を避けて、サイズを可変させていくときのポイントになる。
処理が終了したら、写真の四辺にあるハンドルをマウスで動かして、大きさを調整する。すると、小さくしても残したい部分の大きさは変わらず、消したい部分は消えて、周りは自然な形で縮小されるはずだ。
また、写真のサイズを小さくしたいとき、取り得る方法は大きく2つある。1つは、映っているものすべてを小さくすることで、もっぱらリサイズと呼ばれる。2つ目は、残したい部分だけ切り取ってしまう方法。こちらはクロップ(切り抜き)と言う。
ところが、右の端にある建物と左にある人物の両方を残して写真サイズを小さくしたい、しかも建物と人物の大きさは変えたくない──。そんなワガママが必要になることもある。普通にレタッチするならば、両方をクロップして、うまくつなぎ合わせるか、必要な部分だけを選択して背景に重ねるように移動させるかのどちらかだろう。
しかし「rsizr」を使えば、残したい物体や人物を選択し、必要なだけ全体サイズを小さくすればOK。気軽に高度なフォトレタッチができるのだ。
このrsizrに使われている技術は、「seam carving」と名付けられている。このページから、技術についての論文と、ビジュアルに解説した動画を見ることができる。
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