OracleはRed Hat Linuxに対してエンタープライズ級のサポートを提供することを決め、Oracle OpenWorldのクライマックスともいえるエリソンCEOのキーノートを発表の場として選んだ。
米国時間の10月25日午後、4万1000人の参加者を集めた過去最大級の「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」は、その規模にふさわしいクライマックスを迎えた。
西海岸の午後1時、Oracle OpenWorldではNASDAQ上場20周年を記念して、クロージングベルセレモニーが行われた。20年前に100株を買っていれば、60万ドル以上の資産に化けているという。普段はニューヨークの取引所で行われているが、この日はモスコーニセンターからのサテライト中継だ。7000人が立ち会うクロージングベルは過去に例がない。
クロージングベルセレモニーの興奮で会場がざわつく中でスタートしたラリー・エリソン会長兼CEOのキーノートでは、さらなるメガトン級の計画が披露された。これまでエリソン氏のキーノートといえば、「独演会」+「参加者との対話」と相場は決まっていたが、今年のOracle OpenWorldは違った。この日、OracleはRed Hat Linuxに対してエンタープライズ級のサポートを提供することを決め、エリソン氏のキーノートを発表の場として選んだのだ。
「グリッドこそコンピューティングの未来。1998年、われわれはReal Application Clustersを投入、(2001年のOracle OpenWorldからは)Unbreakable Linuxのキャンペーンを展開し、Linuxを認証・サポートすることで、エンタープライズへのLinux浸透を後押ししてきた」(エリソン氏)
エリソン氏は、まさにLinux最大の支援者とも言えるが、Oracleデータベースやアプリケーションをソリューションとして企業顧客に届けるには、まだまだ課題があると考える。
「われわれの成功はLinuxの成功に大きく依存している。Oracleデータベースやアプリケーションの顧客である必要はない。Red Hat Linuxのユーザーであれば、だれでもOracleからエンタープライズ級のサポートが安価に受けられるようになる」とエリソン氏。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.