社内調整の巧拙はプロジェクトの成否を決める。シャドーワークを推進するプロデューサー型のワークスタイルへの変化も、そうしたスキルが影響する。
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企業内のフォーマルな組織やプロジェクトではなく、それらに縛られないインフォーマルな集団の独自活動をシャドーワークと呼ぶ。最近このシャドーワークが組織の活性化などに大きな効果を上げ注目されている。インフォーマルな集団活動をマネジメントするのは、なかなか難しいことだが、ワークスタイルという切り口から、シャドーワークをとらえると分かりやすい。ビジネスマンのワークスタイルは「御用聞き型」「社内調整型」「社外嗜好型」「プロデューサー型」の4つに分類でき、シャドーワークを自然な形で進めるタイプは「プロデューサー型」であるという。参照記事
これらのワークスタイルを分類する2つの軸がある。「社内コラボレーション行動」と「社外パートナーシップ行動」というものだ。「プロデューサー型」は2本の軸両方で高いパフォーマンスを実現している。
シャドーワークを軽々とこなす「プロデューサー型」社員になるには、あるいはそうした人材を育成するにはどうすればいいのだろう。シャドーワークに詳しい、フライシュマン・ヒラード・ジャパンのパートナー、シニアバイスプレジデントの徳岡晃一郎氏によれば、「プロデューサー型」以外のタイプの人材でも、「プロデューサー型」になれる可能性は十分にあるという。
「『御用聞き型』の人は組織の中の小さな部署の壁に囲まれて仕事をしています。そういう人でも他のタイプの上司や先輩に出会う可能性がある。『社内調整型』の人も社外の人脈が幅広い同僚に出会う可能性は十分にある。そうしてワークスタイルに変化が起きることはあるのです。そしてバランスの取れた人脈を持つ『プロデューサー型』へと進化するようにきめ細かい人事を行えばいいのです」
ただこうした変化は、あるタイプになりたいと考えるだけではダメだと、徳岡氏は注意を促す。
「会社が『プロデューサー型』になれというから、なってやろうというのではなく、自分が仕事の中で何をしたいのか、どういう想いを持っているかが大切です。会社はどう評価するか分からないが、自分が正しいと考えること、それを実践していく。だから社内外での協力者を探したい、自分の考えをぶつけてみたい、こうした想いと実践をセットにしていくと、組織の中で人は成長していくのだと思います」
「プロデューサー型」社員は人脈が豊富なだけではない。インフォーマルであればあるほど、どんな「想い」を持っているかが大切になる。
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