自分のキャリアに不安を感じている場合、仕事や趣味を一段上の視点から見つめ直してみよう。そこを貫く軸を見つけることで、あなたの才能はより生かされるようになる。
少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えします。
お盆休みが終わった。皆さまは休暇をどのように過ごされただろうか。普段接しない人との再会を楽しんだ方は、前回の記事で書いた通り、IT業界で働いていない人とのふれあいの中に意外な発見があったはずだ。
IT業界以外の方と話をすると、今の自分を客観的に見つめ直すことができる。一方で、たくさんの意見を聞いたことで、「今のわたしのキャリアはこれでいいのだろうか?」と不安を抱いた方もいらっしゃるかもしれない。
そこで今回は、今のあなたの仕事を抽象度を上げた視点から見つめてみることで、自身のキャリアを再考する方法をご紹介する。あなたが描くキャリア計画の参考にしていただきたい。
抽象化という言葉をご存知だろうか? 一言で言えば、事物の特定の性質や共通性に着目することである。オブジェクト指向のプログラム言語の中にある「抽象化」も、まさにこの意味を指す。
例えば犬や猫を抽象化すると、「動物やペット」というくくりになる。ペットとして捉えた場合、犬と猫は同一になる。抽象度を上げることは「1つ上の視点から物事を見ること」とも言い換えられる。
ここで、あなたの今の仕事や今まで好きだったことについて、特定の性質や共通性があるかどうかを見てみたい。1つ上の視点からそれらを眺めることで、今後のキャリアを形成するためのヒントが得られるからだ。
例として、システムエンジニアという職種を考えてみよう。システムエンジニアの仕事の柱はシステムの設計である。場合によってはプログラミングやマネジメントも含まれる。「システムの設計」を詳細にすると、「設計」「顧客との会話」「ネゴシエーション」などとなるだろう。「設計」の詳細は、「システム要求分析」「システム方式設計」「業務システム設計」などで構成される。
このように、業務の特性や性質をできるだけ具体的に書き出してみてほしい。ポイントは、仕事で好きだと思える部分をより具体的に洗い出すことだ。
同様に、あなたが子供時代からこれまでの中で夢中になったことや好きだったことを挙げてみよう。例えば山登りが好きだったとしよう。好きなポイントは、登山の計画立案、山に登る途中のプロセス、緑の中を吹き抜ける風、登頂した瞬間の達成感――など人によってさまざまである。
最後に「好きなこと」の共通点を探そう。これまで書き出した内容を見ながら、「一言で言うと何が好きなのか?」を、自分と対話しながら導き出してみよう。
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