NTTドコモが11月22日に発売した「カードケータイ KY-01L」は、ディスプレイに2.8型のタッチパネル対応の電子ペーパー「E ink」を採用した、世界最薄5.3mm、最軽量47gの4Gケータイだ。メーカーは京セラ。【追記あり】
日本でもコンパクトなケータイは数多く発売されてきたが、今回のカードケータイは薄さと軽さが圧倒的だ。本体サイズの55×91mmは一般的な名刺とほぼ同サイズだ。厚さ5.3?なので名刺入れにも楽々入る。47gは軽量コンパクトスマホと比べても3分の1ほどの軽さだ。昔ドコモから発売された「premini」の69gを超え軽々超えている。何も知らずに手に取ると、ただの樹脂板かカード電卓かと思うほどだ。
もう1つの特徴が、2.8型(480×600ピクセル)の電子ペーパーを採用していること。電子ペーパーは、同じ画面内容なら電力を消費せずに表示し続けられるのが特徴。また、実際の紙のように外部からの光で内容を見る形になるので、明るい屋外ほど画面内容を見やすい。一方で、画面がモノクロ表示なのと、一般的な液晶や有機ELと違って、画面の描画に時間が(約0.5秒)かかるという欠点もある。
実際の機能や使い勝手を見ていこう。前述の通り、この薄型軽量ボディーは、持つというよりも指で挟む方が正しい持ち方だと感じるほど。基本的には小型スマホのように手のひらに乗せて、指で押さえて持つ感じになる。
操作性はスマホに近く、タッチパネルと本体下部の「戻る」「ホーム」キーで操作する。文字入力はテンキー操作のみ。フリック入力や予測変換には対応している。
軽くて薄い分、管理については気を付ける必要がある。というのも、紙の資料の間へ紛れ込むと薄すぎてなかなか見つからず、軽いので音もなく紙の上などを滑っていってしまうからだ。日常利用する場合は、目立つストラップを付けることをお勧めする。個人的には、スマホから探せるBluetoothタグを付けたくなったほどだ。
画面の見え方は、前述の通り明るい場所ではかなり見やすい。一方、暗い夜道や部屋などでは、本体にフロントライトもないので画面が暗く見づらい。そういった場合は、スマホのLEDライトなどで画面を照らしながら使う必要がある。画面の描画の遅さについては、本体の処理性能はそこそこ早いのと、ブラウザ以外は画面の書き換えが少ないので、慣れればあまり気にならなかった。
利用できる機能は音声通話(VoLTE対応)とSMS、スマホ同等のブラウザ機能、アラーム、電卓、カレンダー、メモ帳などに限られる。ドコモメールや+メッセージ、LINE、アプリの追加には対応していない。また、Googleアカウントも利用できない。
ブラウザの動作はどうか。Webサイトの読み込みや電子ペーパーの画面の書き換えに時間がかかるため、最近のスマホと比べると動作はかなり遅い。サイトを読み込んだ後の画面スクロールは意外とスムーズだが、それでも液晶や有機ELを搭載したスマホと比べると描画はもたつく。また、画面が小さく解像度が480×600ピクセルとあまり高くないので、小さい文字は読みづらい。ブラウザ自体は多くのサイトを表示できるが、この機能を日常的に使うことはお勧めできない。
ちなみに、ブラウザなどのスクリーンショットを撮ると、画像データ自体はカラーで保存されている。
それ以外の機能は描画内容や描画を切り替える機会が少ないので、あまりもたつきを気にせず利用できる。連絡先はBluetoothを利用してvCardのインポートが可能だ。ストップウォッチは電子ペーパーの描画速度を考慮してか、最小の計測単位が秒までになっている
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