QNAP TS-409Pro(以下、TS-409Pro)は、ホットスワップに対応した4つのベイを持つNAS製品だ。同様のものではアイ・オー・データ機器のLANDISK TeraやバッファローのTeraStationなどが有名だが、台湾のQNAPは日本ではあまり知られていない。ドライブが別売りの製品なので、いまや1Tバイトで1万円を切った週末特価のドライブも利用できるなど、上記の2製品に比べて価格面で優位な部分はあるものの、海外製品ゆえの不安感があるのも事実だ。ここでは前編・後編の2回にわたってQNAPを検証する。前編の今回はNASとしての性能と機能について見ていこう。
TS-409Proのメインボードは底面に配置されているが、一目見て気づくのは林立する固形コンデンサだ。CPUはMarvell 5281(500MHz)、メモリは256Mバイトと、このクラスのNASにしては贅沢といっていい構成だ。エアフローは簡素で、HDDカバーとなる前面メッシュ部分から吸気、背面ファンで排気している。メインボード、HDD含めて1基のファンでまかなうため、メインボード部の冷却にはやや不安が残る構造だ。実際、メインボードに隣接する最下段のHDDは、ほかのHDDに比べてやや温度が高めになる傾向にあった。
しかし、TS-409Proは電源を内蔵しておらず、ACアダプタを外付け接続するようになっている。筺体内の大きな熱源が1つ削減されていることは、熱設計上非常に効果的と言える。惜しむらくはACケーブルがアース端子つきプラグであることだ。変換プラグが付属していないので、購入してもすぐに利用できないユーザーがいるかもしれない。
HDDは放熱用の穴が多数開けられたスチール製のトレイにネジ止めして取り付ける。SATAのコネクタに直接差し込むような形になるため、WD VelociRaptorなど標準と異なるコネクタ位置のドライブは利用できないようだ。
前面には各種インジケーターのほか、電源スイッチとコピーボタン、それにUSBコネクタが1ポートある。コピーボタンは前面のUSBコネクタに接続されたドライブと内蔵ドライブ間のコピーや同期をボタン1つで行うためのものだ。デジカメのデータ保存のほか、初期導入時のローカルドライブからのデータ転送など、時間がかかる大量コピーをPCレスで行うことができる。USBでNTFSフォーマットのHDDを接続した場合は読み取り専用としてマウントされるので注意してほしい。
背面にはギガビットLANコネクタ、USBコネクタが2ポートある。USBポートにはドライブのほか、プリンタ、UPSなどを接続することができる。前面と背面の違いはコピーボタンに対応するかどうかだけだ。
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