スマートデバイスは、思い通りに操作できないと意外とストレスがたまる。
画面のスクロール、ページめくり、拡大/縮小といった基本のタッチ操作でさえも動作がぎこちなく、タップした“となりの”アプリが起動してしまう、ひどい時は操作そのものが無視されている……。んぁぁぁー! と、機器を放り投げたくなった経験のある人もいるだろう。もちろんその感覚やしきい値は人それぞれであり、タッチパネルやそのセッティングが原因のものもある。ともあれ、Androidスマートフォン登場当初や激安傾向な輸入モノならともかく、最近のスマートデバイスにそこまでひどいのはなくなってきてはいるようだが、いわゆる“サクサク感”は機器の所有満足度を高め、維持する重要項目の1つである。
では、今回検証する7型タブレットはどうか。操作性の要素に大きく影響する、プロセッサ・グラフィックス性能について、一斉にベンチマークテストを行ってみよう。
今回使用したのは「Quadrant Professional Edition」、「Vellamo Mobile Benchmark」、「MOBILE GPUMARK」の3つ。OSの異なるiPad miniは、iOS版もあるMOBILE GPUMARKを用いた。
もちろんベンチマークテストの値がそのまま操作性の絶対評価になるわけではない。ただ高速に処理できるということは、パフォーマンスに不満を感じる可能性が低くなると仮定はできる。製品選びの際の指標の1つとして参考にしてほしい。
ベンチマークテストの前に、まずは今回用意した各機種(2013年3月時点)の搭載OSとバージョンをチェックする。今回は2013年2月現在も購入できるモデルという条件でそろえたが、必ずしも新モデルばかりではなく、中には発売から1年ほど経過したモデル、あるいは発売時よりOSがバージョンアップされたモデルもある。
Android OS搭載モデルはそのバージョンもさまざまだが、今回検証する機器の多くは「Android 4.x系」である。なお、Amazon「Kindle Fire HD 7」の“Android 4.0ベース”とは、Android 4.0を基本としつつも、そのUIに大幅な変更・カスタマイズが加えられていることから、一応分けて記述することにする。
一方、少し古いモデルである日本エイサー「ICONIA TAB A100」、法人向けとして業務での安定性や堅牢性を重視したモデルであるパナソニック「BizPad JT-H580VT」などは1世代前のAndroid 3.2となっている。
メーカー/販売 | 製品名 | 画面サイズ | OS(検証時) |
---|---|---|---|
アップル | iPad mini(Wi-Fiモデル) | 7.9型 | iOS6.1 |
Amazon | Kindle Fire HD 7 | 7型 | Android 4.0 ベース |
エイサー | ICONIA TAB A100 | 7型 | Android 3.2 |
NTTドコモ(NEC) | MEDIAS TAB UL N-08D | 7型 | Android 4.0 |
NTTドコモ(NEC) | MEDIAS TAB N-06D | 7型 | Android 4.0 |
NTTドコモ(Samsung) | GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E | 7.7型 | Android 4.0 |
Google(ASUSTeK Computer) | Nexus 7 | 7型 | Android 4.1 |
KDDI(シャープ) | AQUOS PAD SHT21 | 7型 | Android 4.0 |
GEANEE | GEANEE ADP-704 | 7型 | Android 4.1 |
GEANEE | GEANEE ADP-705W | 7型 | Android 4.0 |
東芝 | REGZA Tablet AT570 | 7.7型 | Android 4.0 |
ドスパラ | DOSPARA TABLET A071-D15A | 7型 | Android 4.1 |
パナソニック | BizPad JT-H580VT | 7型 | Android 3.2 |
Mobie in Style | edenTAB | 7型 | Android 4.0.3 |
レノボ・ジャパン | IdeaTab A2107A | 7型 | Android 4.0 |
※並びはメーカー/販売名で五十音順 |
続いて搭載プロセッサをチェックしよう。
現時点の7型タブレットで搭載するプロセッサは、スマートフォンのそれと比べると意外にバラエティに富んでいる。主流はQualcomm「Snapdragon S4 APQ8060/8960」、Texas Instruments「OMAP4430/4460」、NVIDIA「Tegra 2/Tegra 3」で、さらには中国メーカー「Rockchip」「Boxchip」「Amlogic」、MediaTek「MT6575」、Samsung「S5PC210」なども採用されている。
プロセッサコア数は、デュアル(2)コアが主流。アップル「iPad mini」、Amazon「Kindle Fire HD 7」、NTTドコモ「MEDIAS TAB UL N-08D」、KDDI「AQUOS PAD SHT21」、ドスパラ「DOSPARA TABLET A071-D15A」など、今回の15機種中11機種がデュアルコアプロセッサを採用する。
一方、Google「Nexus 7」、東芝「REGZA Tablet AT570」らNVIDIA Tegra 3搭載機種はさらに多いクアッド(4+1)コア、GEANEE「GEANEE ADP-705W」、レノボ・ジャパン「IdeaTab A2107A」はシングル(1)コアの仕様となっている。
メーカー/販売 | 製品名 | 画面サイズ | プロセッサ/コア数/クロック周波数 | メモリ容量 | 内蔵ストレージ容量 |
---|---|---|---|---|---|
アップル | iPad mini(Wi-Fiモデル) | 7.9型 | Apple A5/1GHz(デュアルコア) | 512Mバイト | 16Gバイト、32Gバイト、64Gバイト |
Amazon | Kindle Fire HD 7 | 7型 | TI OMAP4460/1.2GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
エイサー | ICONIA TAB A100 | 7型 | NVIDIA Tegra 2 Cortex-A9/1GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
NTTドコモ(NEC) | MEDIAS TAB UL N-08D | 7型 | Qualcomm Snapdragon S4 MSM8960/1.5GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
NTTドコモ(NEC) | MEDIAS TAB N-06D | 7型 | Qualcomm Snapdragon S4 APQ8060/1.2GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
NTTドコモ(Samsung) | GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E | 7.7型 | Qualcomm Snapdragon S4 APQ8060/1.5GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 32Gバイト |
Google(ASUSTeK Computer) | Nexus 7 | 7型 | NVIDIA Tegra 3/1.3GHz(4+1コア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
KDDI(シャープ) | AQUOS PAD SHT21 | 7型 | Qualcomm Snapdragon S4 MSM8960/1.5GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
GEANEE | GEANEE ADP-704 | 7型 | Rockchip RK3066・Cortex-A9/1.5GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 8Gバイト |
GEANEE | GEANEE ADP-705W | 7型 | Boxchip A10・Cortex-A8/1.2G?1.5GHz(シングルコア) | 512Mバイト | 4Gバイト |
東芝 | REGZA Tablet AT570 | 7.7型 | NVIDIA Tegra 3/1.3GHz(4+1コア) | 1Gバイト | 64Gバイト |
ドスパラ | DOSPARA TABLET A071-D15A | 7型 | Amlogic 8726-M6・Cortex-A9/1.5GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 8Gバイト |
パナソニック | BizPad JT-H580VT | 7型 | TI OMAP4430・Cortex-A9/1GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
Mobie in Style | edenTAB | 7型 | Samsung S5PC210/1.2GHz(デュアルコア) | 1Gバイト | 16Gバイト |
レノボ・ジャパン | IdeaTab A2107A | 7型 | MediaTek MT6575・Cortex-A9/1GHz(シングルコア) | 512Mバイト | 16Gバイト |
※並びはメーカー/販売名で五十音順 |
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