VAIOは5月25日、13.3型モバイルノートPC「VAIO Pro 13 | mk2」を発表した。ソニー時代から受け継いだ「VAIO Pro 13」の薄型軽量クラムシェルボディをベースとして、ユーザーからの改善要望を受け、基本スペック、インタフェース、使い勝手、シャシーの剛性やカラーバリエーションといった各部を見直した後継機となる。
購入時に仕様を選べるVAIO OWNER MADE(VOM)モデルの「VJP1321」シリーズは、ブラックを6月3日に受注開始し6月11日に発売、シルバーを6月24日に受注開始し7月2日に発売する予定だ。直販価格は10万9800円(税別、以下同)から。
店頭販売する標準仕様モデルは、Core i5とOffice搭載のブラック「VJP1329GCJ1B」を6月11日、Core i3搭載でOfficeなしのシルバー「VJP1329SCH1S」を7月2日に発売する予定。価格はオープン、実売価格はブラックが14万4800円前後、シルバーが10万9800円前後の見込みだ。
VAIO新会社が販売するVAIO Pro 13はブラックのカラーのみだったが、VAIO Pro 13 | mk2ではソニー時代に展開していたシルバーのカラーを復活させて再投入する。
VAIO Pro 13 | mk2は、ビジネス向けにボディの堅牢性を強化しているのが大きな特徴だ。
満員電車を想定した150kgf(重量キログラム)の加圧・1時間振動試験、高さ90センチから×6面の落下試験、片手でPCを机に置いた際の衝撃を想定した高さ5センチから5000回×4隅の角衝撃試験、液晶ハウジングの加圧試験、ボディの3点を支持し1点を加圧する本体ひねり試験、ペンを挟んだまま液晶ディスプレイを閉じる試験、液晶ディスプレイの開閉耐久試験などの品質試験をクリアした(製品の無破損・無故障を保証するものではない)。
先代機と比較した場合、新たに加圧したままの振動とペン挟みの試験を追加し、落下、衝撃、本体ひねり、液晶ディスプレイ開閉といった試験をより過酷な条件でクリアしているという。「堅牢ノートとして知られるパナソニックのLet'snoteが公開している情報よりハードな設定で品質試験を実行した」と製品開発者は語る。
ボディの外装は従来同様、断面が六角形になるよう成形して耐衝撃性を高めた「Hexa-shell(ヘキサシェル)」デザインを採用。先代機は天面と底面に東レ製のUDカーボンを採用していたが、VAIO Pro 13 | mk2は天面にマグネシウム合金、底面に高剛性樹脂を用いた。これにはVAIO新会社になって販路がワールドワイドから国内市場に限られたことに伴う影響(生産数減少でカーボン調達コスト増)という側面もあるが、設計の見直しで先代機を超えた強度を確保し、前述の品質試験に耐えている。
マグネシウム合金で作られる天面は、背面にある液晶ディスプレイ支持部(シルバーのオーナメント)までを一体成型。マグネシウムのダイキャスト後に、CNC(コンピュータ数値制御)による加工で内側を切削して仕上げた。先代機で別パーツだった背面まで一体成型したことで、特にヒンジ面(オーナメントの裏)の強度が上がり、液晶やタッチパネルの基板、無線LANアンテナケーブルなどの保護がより強固になったという。
強化樹脂で作られる底面は、先代機で耐久性が気になっていたポイント(キーボードの中央付近、右側面のインタフェース周囲、前面の左右端、新設されたタッチパッドのクリックボタン付近)に補強リブを追加。剛性や持った際の硬質感を高めるとともに、キーボードのたわみを抑え、タッチパッドの操作性向上ももたらした。
また、底面はネジの配置も最適化している。先代機は底面にVAIOロゴをあしらい、ネジを隠したデザインに仕上げていたが、VAIO Pro 13 | mk2では剛性とメンテナンス性を高めるため、あえてネジを中央部にも複数打ち、VAIOロゴを省いた実用重視の外観としている。なお、パームレスト面のアルマイト処理アルミニウムに変更はない。
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