ポケモンGO×鳥取砂丘「スナホ・ゲーム解放区」の今その後どうなった?(1/3 ページ)

» 2016年11月23日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 良くも悪くも注目を集める「Pokemon GO(ポケモンGO)」だが、地域活性化のツールとしても積極的に使われている。

 最近ではレアポケモンである「ラプラス」が宮城県石巻市に大量出現するなど、東北3県とタイアップしての復興支援イベントが話題となったばかりだ(2016年11月22日に発生した福島県沖の地震と津波の影響で終了)。

 こうした地域活性化の先駆者となったのが、鳥取県の鳥取砂丘だ。ポケモンGOでアイテムや経験値(XP)を獲得できる「ポケストップ」は、ポケモンGOの開発元である米Nianticによる位置情報ゲーム「Ingress」の拠点「ポータル」が元になっている。このポータルは、Ingressのプレイヤー(エージェント)であれば申請が可能だった。

 鳥取砂丘では、Ingressのほぼ一人の熱心なプレイヤーが申請し、登録された大量のポータルがポケモンGOのポケストップに使われており、これに気付いた鳥取県が観光誘致に活用すべく、2016年7月25日に鳥取砂丘を「スナホ・ゲーム解放区」にすると宣言。砂丘に整然と並ぶ数多くのポケストップが話題になったことは記憶に新しい。

Pokemon GO

 もっとも、師走を目前にしたこの時期、ポケモンGOユーザーの間で鳥取砂丘の名が出ることはほとんどなく、その後の動向も伝わってこない。石巻のイベントがポケモンGOユーザーの間で連日話題になったのとは対照的だ。現在の鳥取砂丘はどのような状況になっているのか。実際に行って確かめてみた。

整然と並ぶ大量のポケストップは健在

 鳥取砂丘は鳥取市内の北部にあり、鳥取の玄関口であるJR鳥取駅を起点とすると、所要時間はおよそ30分。路線バスも出ているが、平日は1時間に最大2本程度なので、タクシーを使う人も多いほか、近隣からはマイカーで訪れる人も多いようだ。近隣のエリアには砂の美術館や鳥取砂丘こどもの国などの施設が立ち並び、観光バスも頻繁に行き来している。

Pokemon GO 鳥取駅から砂丘行きの路線バスは1時間に1〜2本。土日などは他の周遊バスも出ている。ちなみに筆者は鳥取砂丘を訪れるのは二度目だが、いずれもバスを使用している
Pokemon GO ポケストップ群に行く際はバスの終点である鳥取砂丘(砂丘会館の前)で下車する
Pokemon GO 鳥取砂丘に近づくと、徐々にポケストップ群が見えてくる
Pokemon GO 砂丘会館前の市営駐車場。平日午前だがそこそこ車の数は多い。写真にはないが観光バスも多数駐車している
Pokemon GO 砂丘への入口となる階段。ここを登って砂丘へと入る
Pokemon GO 階段を登ると砂丘が姿を現す。この写真では分からないが、柵を超えたところがくぼんでおり、坂を下って向こう側(馬の背)へと渡る
Pokemon GO ネットでも話題になった「鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区宣言」の貼り紙を発見

 広大な鳥取砂丘には、現在位置(ブロック)を記した「調査杭」が100メートル間隔で埋め込まれており、それら一つ一つがポケストップになっている。建築物が何もない広大な砂丘だが、ポケモンGOの画面で見ると、ポケストップが格子状に整然と立ち並んでいる。なかなか壮観だ。

Pokemon GO ポケモンGOの画面と砂丘を並べた見たところ。何もない砂丘の上にポケストップが整然と並んでいるのが分かる
Pokemon GOPokemon GO ブロックを記した「調査杭」(写真=左)。これがポケストップとして登録されている。ちなみに、このように地上に露出しているものもあれば、全く見当たらないものもある。ポケモンGOの画面でポケストップを表示したところ(画像=右)。上面のブロック表示が分かりやすく撮影されている
Pokemon GO ポケストップが林立するエリアから、「馬の背」と呼ばれる丘を見上げたところ。高さは47mあるとされており、ここを越えると日本海が見える
Pokemon GOPokemon GO 砂丘なのにコイキングなど「みず」タイプのポケモンが多いのは海岸沿いであるため(画像=左)。ポケストップに比べてジムの数はごくわずか(画像=右)。都内では「カイリュータワー」とやゆされるほどジムはカイリュー一色となっているが、今回の訪問時はなぜかカビゴンばかりだった
Pokemon GO 馬の背を登っているところ。ポケモンを探しながら登るのはおそろしく体力を消耗する。11月でも汗だくなので、夏場が厳しかったであろうことは容易に想像がつく
Pokemon GO 馬の背を越えると、目前に日本海が広がる。ちなみに下りると海水浴場がある
Pokemon GO 尾根を中心としたエリアの砂はサラサラで、砂利などはほとんどない。一歩歩くと深く沈み込むので、動きやすい靴などの装備は必須だ
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