良くも悪くも注目を集める「Pokemon GO(ポケモンGO)」だが、地域活性化のツールとしても積極的に使われている。
最近ではレアポケモンである「ラプラス」が宮城県石巻市に大量出現するなど、東北3県とタイアップしての復興支援イベントが話題となったばかりだ(2016年11月22日に発生した福島県沖の地震と津波の影響で終了)。
こうした地域活性化の先駆者となったのが、鳥取県の鳥取砂丘だ。ポケモンGOでアイテムや経験値(XP)を獲得できる「ポケストップ」は、ポケモンGOの開発元である米Nianticによる位置情報ゲーム「Ingress」の拠点「ポータル」が元になっている。このポータルは、Ingressのプレイヤー(エージェント)であれば申請が可能だった。
鳥取砂丘では、Ingressのほぼ一人の熱心なプレイヤーが申請し、登録された大量のポータルがポケモンGOのポケストップに使われており、これに気付いた鳥取県が観光誘致に活用すべく、2016年7月25日に鳥取砂丘を「スナホ・ゲーム解放区」にすると宣言。砂丘に整然と並ぶ数多くのポケストップが話題になったことは記憶に新しい。
もっとも、師走を目前にしたこの時期、ポケモンGOユーザーの間で鳥取砂丘の名が出ることはほとんどなく、その後の動向も伝わってこない。石巻のイベントがポケモンGOユーザーの間で連日話題になったのとは対照的だ。現在の鳥取砂丘はどのような状況になっているのか。実際に行って確かめてみた。
鳥取砂丘は鳥取市内の北部にあり、鳥取の玄関口であるJR鳥取駅を起点とすると、所要時間はおよそ30分。路線バスも出ているが、平日は1時間に最大2本程度なので、タクシーを使う人も多いほか、近隣からはマイカーで訪れる人も多いようだ。近隣のエリアには砂の美術館や鳥取砂丘こどもの国などの施設が立ち並び、観光バスも頻繁に行き来している。
広大な鳥取砂丘には、現在位置(ブロック)を記した「調査杭」が100メートル間隔で埋め込まれており、それら一つ一つがポケストップになっている。建築物が何もない広大な砂丘だが、ポケモンGOの画面で見ると、ポケストップが格子状に整然と立ち並んでいる。なかなか壮観だ。
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