2010年7月24日(土)「しんぶん赤旗」
空襲被害救済は急務
東京高裁控訴審開始 原告ら主張
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第2次世界大戦中に東京で空襲にあった被害者とその遺族114人が、日本政府に謝罪と補償を求めた東京大空襲訴訟控訴審の第1回口頭弁論が23日、東京高裁で開かれました。
東京大空襲訴訟原告団の星野弘団長(79)、同訴訟原告弁護団の中山武敏団長など6人の弁護士が陳述しました。
星野団長は、焼け跡や川を埋め尽くした遺体収容作業での体験を生々しく語り、「軍人・軍属は氏名が記録されて靖国(神社)にまつられ、年金、補償がされている。民間人である空襲被害者は氏名も死者数も調査されず、一文の救済も受けていない」と語りました。
また、平均年齢77歳の原告の多くが孤児として教育を受けられず働きづめの人生を送ってきたことにふれ、「被害者の苦難な戦後生活は、いまも続いている。国際的には民間人は軍人と等しく救済されている。法の下の平等を実現し、一刻も早い国の謝罪と補償の実現を求める」とのべました。
中山弁護士は、原告の請求を棄却した東京地裁判決の不当性について、「原判決は被害事実を直視せず、個々の人権救済を使命とする司法の任務・責任を放棄したもの」とのべました。
ほかの弁護士も憲法14条に基づく国家の救済義務や国による被害者救済の必要性などを訴えました。
同訴訟原告と支援者らは同日、東京高裁前で宣伝活動に取り組みました。早急な国の謝罪と補償の実現を訴えました。
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