2014年6月4日(水)
日航裁判で不当判決
客室乗務員ら「復帰までたたかう」
東京高裁
|
2010年末に日本航空が客室乗務員84人、パイロット81人を不当解雇し、解雇撤回・原職復帰を求めた客室乗務員の裁判で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は3日、原告の控訴を棄却し、解雇を認めた東京地裁判決を維持する不当判決を出しました。高裁前にかけつけた原告、支援者ら約450人が、涙をこらえながら、「不当判決は許さない」「全員が職場復帰するまでたたかうぞ」と怒りの唱和を響かせました。
控訴審での最大の争点は、東京地裁判決が解雇を容認する最大の根拠とした「事業規模に応じた人員体制にするための解雇」の是非でした。
原告側は、会社側の算定方法を使っても人員削減計画が超過達成していることを論証し、解雇が必要なかったことを示しました。会社側は、これに対する反論ができませんでした。しかし、高裁判決は原告側の主張を退けて、「本件解雇の時点で、削減計画で予定された人員体制が既に達成されていたとまでは認められない」としました。
解雇回避措置について、判決は「いずれも合理的なものであって、解雇回避努力がされている」と指摘。組合員をねらった不当労働行為であるという原告の主張についても、「人選基準にも合理性があり…不当労働行為に当たるとは認められない」としました。
東京高裁で記者会見した客室乗務員原告団の内田妙子団長は「憤りでいっぱいだが、絶望するわけにはいかない。最高裁に上告してたたかう」と表明しました。日航キャビンクルーユニオン(CCU)の古川麻子委員長は「解雇後、職場が様変わりし、経験も継承されなくなっている。安全を守るために、原告が復帰するまでたたかう」と語りました。
国民支援共闘会議の大黒作治共同代表(全労連議長)は、ILO(国際労働機関)が2度にわたって勧告を出していることにふれ、「判決の不当性を世界にも広げて、勝利するまで支援する」とのべました。
パイロットの東京高裁判決は5日です。
原告勝利までともに
山下書記局長が談話
日本共産党の山下芳生書記局長は3日、日本航空の客室乗務員が解雇撤回を求めてたたかう訴訟で、東京高裁が原告側の控訴を棄却して解雇を有効とした不当判決に強く抗議する談話を発表しました。
談話は、原告側が整理解雇された時点で目標とされた必要人員体制が実現していたこと、ベテラン客室乗務員の解雇で安全運航が脅かされていることなどを詳細に立証し、解雇の不当性を明らかにしたと指摘しています。
ところが、高裁判決は、原告側の主張と立証を完全に無視し、会社側の主張のみを採用して解雇を容認した一審判決の枠組みをそのまま踏襲したものだと強調。「『首切り自由』に道を開く、労働者全体への攻撃であり、空の安全と国民の命を脅かす最悪の判決である」と批判しています。
日本共産党は、「首切り自由」社会を許さず、空の安全の確保という大義を掲げてたたかう原告団が勝利するまで、ともにたたかうと表明しています。