中谷元・防衛相は24日の閣議後記者会見で、職員や自衛官の懲戒処分を発表する際、関係者の性別を原則公表しない方針を明らかにした。性的指向や性自認の問題への配慮が理由としている。23日から新たな方針に基づく公表の運用を始めたという。

 自衛隊では過去に女性隊員へのセクハラが相次いでおり、性別が非公表となることで、ハラスメント防止に向けた改善状況が外部から検証しにくくなる恐れがある。防衛省・自衛隊内でも「難しい問題だが、説明責任を十分果たすことができるのか」との声が上がっている。

 中谷氏は「必要に応じて公表内容については不断に検討し、適切に対応していきたい」との考えも示した。