1 展覧会開催の趣旨
天皇陛下御即位20年を記念して,皇室ゆかりの名宝を一堂に展観する特別展を開催します。
2 展覧会の名称及び展示内容
(1) 御即位20年記念特別展「皇室の名宝-
(2) 概要
今回の展覧会では,展覧会を前期と後期に分け,皇室で保護されてきた様々な美術工芸作品の中から,日本美術を代表する名品を中心に展観します。出品される作品は,御物のほか,正倉院,三の丸尚蔵館,書陵部,京都事務所で管理されているもので,これらが一堂に展観されるのは,前回,平成11年の御即位10年記念特別展以来となります。
展示作品は,鎌倉時代を代表する絵巻の名品「
3 展覧会会期等
1期: | 平成21年10月6日(火)~11月3日(火・祝)[26日間] 休館日:毎週月曜日(ただし,月曜日が祝日の場合は開館し,翌日休館する。) |
2期: | 平成21年11月12日(木)~29日(日)[18日間] 休館日:なし |
4 主催 東京国立博物館,宮内庁,日本放送協会
5 特別協力 NHKプロモーション,読売新聞社,日本経済新聞社
6 会場 東京国立博物館平成館
7 展覧会に出品される代表的作品
下記のとおり
平安時代の三筆として名高い小野道風(894~966)が,『白氏文集』を抄出したもので,楷・行・草の三書体で書した名品として知られる。
諸本ある『和漢朗詠集』の中でも,筆跡,唐紙の美しさにおいて,その第一として名高い作品である。
鎌倉時代の絵巻の名品であり,後世の美術作品にも大きな影響を与えた作品である。西園寺公衡の発願により,宮廷絵所預の高階隆兼が描き,奈良・春日大社に奉納されたもの。明治期に皇室に献上されて,保護されてきた。
桃山画壇の巨匠・狩野永徳(1543~1590)の数少ない確証的な作品で,力強いその作風は,桃山時代の豪壮な気風をよく伝える。日本美術の代表的な作品として,多くの人々に最も知られるものの一つでもある。
近年,特に人気の高い,江戸時代中期に京都で活躍した伊藤若冲(1716~1800)の代表作であり,彼の生涯においても記念的な作品。30幅に及ぶ大作は,本来,釈迦三尊を荘厳するための仏教絵画である。
明治期の金工界の第一人者であった海野勝民(1844~1915)の代表作。雅楽「蘭陵王」の舞姿を高度な技術によって,写実的に作り上げている。
明治天皇の御下命により,明治25年から約11年を費やして制作された明治期漆工作品の傑作。高蒔絵と螺鈿による菊花と小鳥文様が全面に配される華麗な作品である。
明治宮殿豊明殿の調度として用いるため,大正15年に御下命を受け,昭和2年に完成した横山大観(1868~1958)の代表作の一つ。大観の最初期の富士の大作で,富士を多く描き続けた大観であるが,これほどの量感,装飾性をもつ壮大な作品は他には見られない。
貞明皇后の御用命を受けて,完成までに20年以上を費やした上村松園(1875~1949)の代表作である。『枕草子』『源氏物語』『伊勢物語』という古典文学に想を得た平安貴族の優美な情景が,情趣豊かに表された名品である。