ブラウザのプライベートモードを使えば、ブラウズ履歴が完全にプライベートになっていると思いますか? 実は言うとそうではないんです!

どちらかと言うと、なんらかのブラウズの痕跡を残していることの方が多いくらいなのです。なので、今日は、何も痕跡を残さずにブラウズする完全なるプライベートブラウジング方法について解説します。

 

問題

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ネット上で何を見たのか、という履歴は、ブラウザの履歴やその他のプライベートデータを消去しただけでは完全には消えません。キャッシュされたDNS lookupsやFlash cookiesなどはOSに保存され続けているのです。最初に明確にしておくと、全ての記録を常に完全に削除し続ける、というのは不可能です。なので、職場で見るべきでないサイトなどを見ている場合、PC上の履歴を削除しても、システム管理者などによって見つけられてしまう可能性はあります。自分のPCの場合、下記の方法でブラウジングに関するプライバシーをかなり強化することが出来ますので興味のある方はぜひ一読してみてください(下記にはそのプロセスを自動化するためのスクリプトも含まれています)。

キャッシュされたDNSエントリー

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ウェブページを開くには、PCがそのウェブサイトのIPアドレスをデフォルトDNSサーバからリクエストする必要があります。そして、そのウェブサイトへ再度アクセスする場合のプロセスをスピードアップするため、パソコン上にその情報をキャッシュします。これはプライベートブラウジング設定にしていても同じです。

コマンドプロンプトを開いて、「ipconfig /displaydns」と入力すると、キャッシュされたDNSエントリーのフルリストを見ることが出来るます。プライベートブラウジングセッションを新規で開き、通常行かないサイトへアクセスしてみるとこの様子を確認することが可能です。もう一度コマンドを走らせると、前述の手順で見た、「通常行かないサイトの情報」がDNSキャッシュに追加されているのが分かるので、どこそこのサイトにアクセスした、というのがアクセス権限のある人であれば誰でも見られる状態になっている、ということになります。キャッシュの削除は「ipconfig /flushdns」と入力すれば簡単に出来ます。

やっかいな問題: Flash Cookies

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秘密のトラッキング情報はDNSエントリーのみではありません。DNSエントリーのみでは、「いったい何を見ていたのか」、という正確な情報までは見ることが出来ないのですが、Flash cookiesの場合はまた別のお話。

これらのエントリーは「%appdata%\Macromedia\Flash Player\#SharedObjects」ディレクトリで表示させることが可能。これを見てしばしあわてふためき、その後心が落ち着いたなら、削除しておいて下さい。とりあえず、今の所はこれで全て削除可能です。

FirefoxのFlash Cookiesをクリア

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FirefoxにはこれらのFlash cookiesを簡単に削除出来る「Objection extension」というアドオンがあります。最新版のFirefoxで使うにはこのアドオンの「development release」をダウンロードし、about:configハックを実行する必要があります。それが終わり、アドオンがインストールされ、Firefoxを再起動したなら、Flash cookies対策の準備は半分完了です。このアドオンのSettingsタブに、「ブラウザを起動/終了する際にLocal Shared Objectsを自動的に削除する」というオプションがあり、ファイル詳細タブから今保存されているローカルクッキーを表示させることが出来ます。またFlashプレーヤー設定タブにも複数のオプション(情報を全く保存しない、など)が用意されているので、ここから好きな設定を選択します。

ブラウジング後に『CCleaner』を使用

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各アプリケーションによって格納される不要な情報を、綺麗に削除するためには『CCleaner』を使うのが一番効果的です。このツールの場合、どのブラウザを使った、というのは関係なくなるのも便利な理由の一つ。Flash cookiesを削除するには『CCleaner』のリストからAdobe Flash Playerのアプリケーションタブを探し、そこにチェックを入れて置きます

『CCleaner』の設定が終わったら、CCleanerをすぐにバックグラウンドで実行するためのショートカットを作成しておけば、アイコンをダブルクリック、またはホットキーをアサインして、不要なデータの削除が簡単に行えるように設定できます。Windows 7/Vistaの場合、ショートカットをクリックする度にUACプロンプトが表示されるかと思いますが、それを表示させないショートカットの作成も可能です。またはUACを無効にする、というのも手かと思います。つい忘れてしまう、というのが心配な方はスケジュール設定で定期的に『CCleaner』を走らせると良いかと思います。

データ除去用のバッチファイルを作成

ブラウジングキャッシュ、Flash cookieキャッシュ、DNSエントリーが確実に削除されることを徹底するために、最も効果的なのはブラウジングセッションが終わるたびに実行される単純なバッチファイルを作成することです。AutoHotkeyスクリプトを作成する、というオサレなやり方も選択肢にはありますが、通常の場合バッチファイルを作成しておけば十分かと思います。新規テキストファイルを作成し、「.batファイル(例:browserclean.bat、など)」として保存。そのファイルへ下記を貼付けます。スクリプト内の/AUTOと書かれている部分が『CCleaner』をバックグラウンドで起動する、というコマンドです。

"C:\Program Files\CCleaner\CCleaner.exe" /AUTO

ipconfig /flushdns

ファイルを作成し、保存したら、デスクトップ上、またはクイック起動バー、スタートメニューなどにこのファイルのショートカットを作成しておきます。

全てを自動的に削除するAutoHotkeyスクリプトを作成

パソコンスキルがもっとハイレベルな方であれば、ブラウザをプライベートブラウジングモードで起動し、最後のウィンドウが終了した後に『CCleaner』を実行し、DNSキャッシュを削除する、というスクリプトを作成します。AutoHotkeyスクリプトを新規作成し、下記のスクリプトを貼付け、スクリプト内のパスをインストールされている場所へのパスに置き換えます。

Run, C:\path\to\chrome.exe -incognito

WinWait, - Google Chrome

WinWaitClose  ; Wait for Google Chrome to close

Run, C:\path\to\ccleaner.exe /AUTO

Run, cmd /c "ipconfig /flushdns"

MsgBox, Browsing Session is Cleaned.

スクリプトの一行目はGoogle Chromeをincognito modeで起動するスクリプトです。Firefoxを代わりに設定することも可能ですが、まずPrivate Browsing Command Line Flagアドオンをインストールし、-privateの引数を使用する必要があります。WinWaitの行でブラウザセッションが終了するまで待機しておくことをAutoHotkeyに指示します(これもGoogle Chrome/Mozilla Firefoxなどに変更可能)。

全てのセッションが終了した後にスクリプトは『CCleaner』を走らせます。

かなり説明が長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

プライバシーのお話は、これからもっと重要性を増してくるかと思いますので、これを実行するしないは別として、Flash cookieは残っている、くらいは頭の隅に置いておいても損はないと思いますよ。

ちなみにこの記事のライターThe How-To GeekはGoogle Chromeのincognito modeを通常使っているそうです。incognito modeについての日本語過去記事はこちらこちらを。

彼の記事はライフハッカー以外にHow-To Geekサイト、または彼のTwitterアカウントから読むことが出来ますので、興味のある方はフォローしてみると良いかもです。

How-To Geek (原文/まいるす・ゑびす)