バンドエイドセロテープホッチキスのように、一般名詞っぽく使われている商品名って数々ありますが、以前「『養命酒』=栄養ドリンクと考えると、かなり割安」にて紹介した養命酒もそんな商品の一つかと。養命酒の認知度が高いため、薬酒=養命酒とステレオタイプにイメージしがちですが、いろいろ種類があるので今回は養命酒以外の薬酒をご紹介しましょう。

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 陶陶酒(第2類医薬品)

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創業は元禄3年と、約320年の歴史を持つ「陶陶酒本舗」の薬酒。アルコール度数が29度の「銭形印」と、12度の「銀印」と、2種類があり(ちなみに養命酒のアルコール度数は14度)、値段は同じく1本2980円ですが、漢方薬の成分配合に多少の差があります容量は1000ml、700ml、そして50mlデルカップの3種類。1回分の用量は20mlです。また、マカを含んだ「マカ陶陶酒」、高級タイプの「陶陶酒オールド」もあり、バリエーションが豊かな薬酒シリーズとなっています。

黄帝酒(第2類医薬品)

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ユンケルでおなじみ佐藤製薬の薬用酒、その名も「黄帝酒」。パッケージはユンケル黄帝液シリーズをそのまま巨大化したような姿で、きらびやかに輝く箱はまさにユンケルの王様めいた貫禄です。お値段は少々張りまして280ml瓶で3465円。1回の用量は大人で10~20ml、1日1~2回となっています。

十全大補酒(第2類医薬品)

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ローカルな話題で恐縮ですが、雷門から雷門通りを田原町へ向かうと、角に見かける「八ツ目鰻本舗」の薬酒が「十全大補酒」です。中国の宋時代に記された「太平恵民和剤局方」に記載されている「十全大補湯」に基づいて製造されており、酒用量は10~20mlを、1日1~2回。1本は500mlで約3000円です。製造元の八ツ目製薬のサイトで紹介されているものの、どうやら販売終了のようすなので、試したい方はお早めにどうぞ。

ミツボシ保命酒(薬味酒)

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「保命酒」でググルとTOPに出てくるのが、こちらの「ミツボシ保命酒」。保命酒(ほうめいしゅ)とは、Wikipediaによれば広島県福山市鞆町名産の薬用酒なのだそうです。ミツボシ保命酒は16種類の薬味をみりんにつけ込んだ薬酒で350年来続く伝統を持つとのこと。アルコール度数は13~14度で、容量別では1800ml、900ml、720ml、500ml、300ml、180mlの6種類。味の異なるタイプや、飲み比べセットもありました。

十六味保命酒(薬味酒)

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広島・鞆の浦に店を構える「入江豊三郎本店」の「保命酒」。こちらはミツボシ保命酒と違い、もち米と米麹と焼酎が主原料。そして高麗人参、菊花、黄精、桂皮、枸杞子、甘草、丁子などの薬味が入っています。アルコール度数は14.5~15度。一升瓶のお値段は2650円で、900ml、600ml、300ml入りがあります。用量はおちょこ1~2杯を食前やお休み前に飲むのがお勧めだそうです。

ハーブの恵み(薬味酒)

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2010年3月に発売された、養命酒製造の薬味酒「ハーブの恵み」です。それ以前は医薬品としての「薬用養命酒」と薬味酒としての「養命酒」があり、どちらの成分も同じだったのですが、薬味酒のほうがハーブの恵みにリニューアルされて登場しました(参考記事その1その2)。13種類の東洋ハーブが配合され、アルコール度数は13度。200ml、700ml、1000mlの3タイプがあります。お酒屋さんで売ってるのがハーブの恵みで、ドラッグストアや薬局で売っているのが養命酒、というわけです。

以上、個人的な観測範囲で見つかったものを紹介しましたが、もしご存知の薬酒が載ってない! と思われた方はぜひコメントでお知らせください。

(常山剛)