世の中に様々な情報が溢れている今、自分にとって本当に必要な情報を逃さず記憶しておくニーズが高まっています。事実、それを助けてくれるアプリも数多く出回っています。しかし、やはりスマートフォンのカメラが最も効率的ではないでしょうか。
なぜなら、文字を入力するのには時間がかかりますが、写真を撮るのは一瞬だからです。ただ写真を撮るだけで、たくさんのことを記録できるのです。モバイル機器で文字入力にかかる時間と写真を撮る手間を比較すれば、1枚の写真に含まれる情報が10文字分程度のものだったとしても、写真を撮る方が優れているといえるでしょう。というのも、写真は簡単で早いだけではなく、文字ではとらえきれない詳細で重要な情報を提供してくれるからです。アルバムの中で写真の並べ替えをすることがあるかもしれませんが、備忘録として適当に撮っておいた写真に遭遇することはありませんか? 今回は、カメラを備忘録として利用し、しっかり分類することで得られるたくさんのメリットや、その早さについて、いくつかの例を挙げてご紹介したいと思います。
1.誰から借りた本(物)なのかを記録しておく
生活情報ブログメディア「Apartment Therapy」の著者は、誰に何を借りたのかを思い出す為の解決策を思いつきました。借りるものと持ち主を一緒に写真にとっておき、「借りた物」アルバムに保存しておくという方法です。これなら、持ち主が誰だったか思い出せなくなってもアルバムを見れば一瞬で解決できるでしょう。この方法は日時やその他詳細をすべて走り書きするよりもはるかに簡単だと思います。
2.緊急時に必要な情報を記録しておく
保険証や薬の処方箋などの写真を撮っておき、「緊急」アルバムに保存しておくことで、ふたつの重要な使い道が考えられます。ひとつめは、病院や薬局でこれらの情報が必要になった時、保険証などのIDを携帯していなくても、スマートフォンの中の写真を見せれば済むということ。ふたつめは、自分自身が緊急事態に巻き込まれ、早急に保険証などの身元確認の情報が必要になった時です。近くにいる人に、自分の携帯電話の中にこれらの情報が保存されている事さえ伝えられればそれで充分です。重傷を負い、伝える事もままならない状況も考えられますので、どこを探せばよいかを書いたカードを財布に入れておくとより安心です。
「緊急」アルバムは開かないに越したことはないのですが、最低限、保険証の番号やパスポートナンバーなどのID番号を控えておくだけでも、いざという時役に立ってくれるはずです。
3.欲しいものリストを作成する
みなさんも日々物欲を刺激され、欲しいものリストを作成しては仕事の目標にしていることでしょう。人は購買欲と常に隣り合わせです。
もし外出先で欲しいものに遭遇したら、写真を撮り「欲しいものリスト」アルバムに保存しましょう。そしてちょっとした臨時収入が入り、何か自分自身にご褒美を...というタイミングがきた時に「欲しいものリスト」を眺めれば、満足度の高い買い物ができるでしょう。
同じ方法で、誰かへのギフトに最適なアイテムを保存しておくのもよいでしょう。本当によいものを選んで贈る事ができるので、出費を抑えられる良い方法なのではないでしょうか。過度な出費を抑える方法といえば、米Lifehackerで以前取り上げた「あなたの購入に24時間営業の方針を制定する(英文記事)」も参考にしてみてください。
この「写真を撮っておく方法」は、衝動買いを防いでくれます。なぜなら、本当に欲しいものを見極める為に参考になる情報を、常に携帯できるからです。外出先でも慎重な判断ができ、無駄な買い物を防げるというわけです。
この方法でイケアでの買い物リストを作るとさらに便利です。ご存知の通りイケアの大型商品は、商品番号をメモしておいて大型の倉庫内で再びその商品を探し出す必要がありますが、商品のタグを写真に撮っておくことでその作業がとても楽になるはずです。
4.レストランや行きたい場所の写真を撮っておく
素敵なレストランやその他後日訪れたいと思っている場所を記録したい時にも、写真に収めておく方法はとても便利です。行きたい場所の外観を参照できるだけでなく、ほとんどのスマートフォンにはGPS機能も付いていますから、撮影場所の住所などの情報も一緒に記録しておけるのです。ですから、レストランの名前や住所、その他の詳細な情報をわざわざ入力する必要はありません。たった1枚の写真を撮るだけで、時間を大幅に節約してくれるでしょう。
5.ノート・メモの代わりにする
もし何かしらの文章をメモしておきたい時も、写真に収めておけば文字を入力するよりも早くてお手軽です。そのうえ、『Evernote』のようなアプリに転送すれば、光学式文字認識(OCR)機能を活用してテキスト検索する事もできます。最近では日本語の認識精度も徐々に上がってきているようです。
6.スクリーンショットを撮って、備忘録として活用する
例えば、「後で購入する予定のアプリの情報を記憶したい」「オフライン時でも使える地図を保存しておきたい」「Eメールで届いた映画チケットのコピーを保管しておきたい」など。スマートフォンを使っている時には、時折こんな場面に遭遇するのではないでしょうか。
ブラウザのブックマーク、アプリの購入履歴や保存メール、地図アプリなどに分散されたこれらの情報も、スクリーンショットを撮ってアルバムとして一元管理できます。これなら複数の保管場所を探しまわる事も、うっかり忘れてしまう心配もありません。
番外編:写真のセキュリティ管理写真機能をメモ代わりに活用していると、重要な情報が含まれる写真もあるでしょう。そして、それらの写真には簡単にアクセスできないようにしたいはずです。
ひとつの方法として、スマートフォン自体にパスコードロックをかけておくという方法が一番手軽ではありますが、もし見られたくない写真のみ隠したいのであれば、iOS向けには『Ben the Bodyguard (450円)』、Android向けには『Hide It Pro(無料)』というアプリがあるので、ぜひ試してみてください。
スマートフォンに標準装備のカメラが、使いようによっては「時短アイテム」に早変わりします。お手軽な備忘録アイテムとして、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Adam Dachis(原文/訳:宮川洋子)
Photos by VLADGRIN (Shutterstock), maigi (Shutterstock), and me.