ライフハッカー編集部さま

ライフハッカーではこれまで、瞑想の効果を紹介する記事をいくつも掲載していますよね。けれども、それらは本当でしょうか? 私はどうしても疑ってしまいます。瞑想の効果には、何かしっかりした科学的根拠があるのでしょうか? それとも、単なる流行り物のひとつなのでしょうか?

瞑想神話(Meditation Myths)より

瞑想神話(Meditation Myths)さんへ

これまで瞑想についていろいろ耳にしてきたとは思いますが、たぶんあなたが考えているほど、瞑想は決まりきったものではありません。瞑想には実際に科学的根拠があります。瞑想は最近、さまざまな分野の研究でホットなテーマになっています。そして、その効果は、生産性の改善から記憶力の向上まで、さまざま挙げられています。瞑想とはどういうものか、その利点は何か、瞑想を日常生活にどのように組み込めるかをご説明していきましょう。

瞑想とは何なのか

瞑想という言葉を聞くと、宗教的なイメージや、仕事中に時間を無駄にする怠け者を思い浮かべる人は、あなただけに限りません。けれども、ここで紹介する瞑想はそういうものではありません。「マインドフルネス瞑想」とは、聞き慣れない名前でしょうが、脳を鍛えて集中力を高める手法です。デイヴィッド・レヴィ教授が米紙『USA Today』で説明しているように、瞑想はエクササイズのひとつなのです。

瞑想は、ジムでの筋力トレーニングによく似ています。集中力を強化するエクササイズなのです。

ヨガ用のズボンを買う必要も、お香を焚く必要も、座禅を組む必要もありません。瞑想の目的は、ちょうど筋肉を鍛えるのと同じように脳を鍛えることなのです

脳を鍛える方法は、しばらくのあいだ、ひとつのことだけに意識を集中させることです。米紙『ニューヨーク・タイムズ』が指摘するように、「自分がいま行っていること」をしっかり意識するのです。

マインドフルネスは、もともとは古来の仏教やヒンズー教、中国に起源があります。実験心理学の分野では、スピリチュアルな概念というよりは、集中力に関係しています。つまり、自分の心を静めて、現在に意識をフォーカスし、気を散らすものが現れても退ける能力です。

集中力がなくて困っている人は、集中力を高めるシンプルなエクササイズとして、瞑想を試してみるといいのです。瞑想に必要なのは、しばらくのあいだ意識的に何も考えないようにする能力だけです。

瞑想の効果

瞑想は以前から、精神を集中させると考えられてきましたが、この一般通念を裏付ける科学的研究を見かけるようになったのは、つい最近のことです。

例えば、ワシントン大学で行われた研究では、瞑想が生産性を向上させ、集中しやすくすることが明らかになりました。また、脳研究の学会誌『Brain Research Bulletin』に掲載された研究では、瞑想はストレスを軽減することが示唆されています。さらに、マサチューセッツ医科大学の研究では、瞑想はさまざまな面で脳の全般的能力を高めることが示されました

研究者たちは現在、瞑想の効果を示す証拠を集めている段階ですが、どうやら短時間の瞑想であっても、脳の集中力にプラスの効果をもたらすようなのです。それにより、意識をフォーカスさせやすくなり、記憶力もよくなり、生産性も高まります。

別の方面での効果もあります。瞑想は情報過剰な状態を防いで、四六時中周囲を取り囲む雑多な情報の量を減らしてくれます。さらに、観察力を高めたり習慣や欲求のあり方を変えたりしたいと思うときにも、瞑想が役立つのです。

瞑想のやり方

以前、「瞑想のススメ」という記事で、瞑想の方法を紹介しました。やり方はとてもシンプルです。特別な技とか、魔法じみたおまじないとか、不可思議なブレインハックなどは必要ありません。ただ静かに座って、しばらく集中すればいいだけです。米誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』が、誰でも使える瞑想法を紹介しています。

背筋をまっすぐ伸ばして座り、楽に息ができるようにします。椅子の上でも、クッションの上でも、床の上でもかまいません。瞑想したい時間(分)をタイマーにセットします。タイマーをスタートしたら、目を閉じてリラックスし、タイマーが鳴るまで、呼吸以外は体を動かないようにしてください。息を吸ったり吐いたりすることに意識を集中させます。何かを考えたり、衝動に駆られたりするたびに、それに気づいて呼吸に意識を戻してください。

上で紹介した研究の多くは、長時間の瞑想について研究したものですが、それほど長い時間を費やす必要はありません。1日2分間でも効果がありますし、モバイルアプリを使って、どこででも、短時間だけ心を静めてもいいのです。

最初は不思議に思われるかもしれませんが、毎日数分間、とにかくリラックスして、頭を空っぽにし、呼吸に集中してみてください。簡単で、時間もそれほど取りません。そして、あらゆる面で効果があることが証明されてきています。少なくとも、数分間、机を(そして仕事を)離れることはできますよね。

ライフハッカーより

原文/訳:松田貴美子、合原弘子/ガリレオ)

Title photo by Diego Cervo (Shutterstock) and dedMazay (Shutterstock).
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