日々、ハードスケジュールに追われるビジネスパーソンにとって、入念なタスク管理は命綱のようなもの。すべてのミッションを的確にこなすためには、常に物事の優先順位を考えながら行動する必要があります。

しかし、ただでさえ情報過多に陥りがちな昨今、「目の前のことをこなすのに精一杯!」という人も少なくないでしょう。一つひとつのタスクを見極め、最適なプランを立てて動くことは、意外と簡単なことではありません。

"意思の力"を温存するという発想

こなすべき作業を取捨選択し、優先順位を見極めるためには、実は"意思"の力が不可欠。近年、ビジネスシーンで話題になり始めている「ウィルパワー(=意志力)」とは、まさしく人が選択や判断を行う際に使う力のことです。

ただし、このウィルパワーは無限のものではありません筋肉と同じように、使い続ければ疲弊し、力を使い果たすこともあり得ます。たとえば、長時間にわたって集中力を求められる作業にあたった時、難しい判断を迫られる会議に出席した時、あるいは心理的なダメージを被った時など、ウィルパワーのゲージは確実に減少しています。これはマインドセットの問題ではなく、心身の生理的な反応と考えるべきでしょう。

車のガソリン残量などと違い、目に見えないものであるため、軽視されがちなこのウィルパワー。集中力が切れたと感じたり、なぜか判断に迷いがちであったりする局面は、このウィルパワーが枯渇していることに原因があるのかもしれません。

逆に言えば、ウィルパワーを効率的に消費することで、ビジネス効率は大きく変わるはず。では、ウィルパワーを節約するにはどうすればいいか? 1つの対策として、「判断や選択の回数をできるだけ減らすこと」が挙げられます。

これはたとえば、「仕事中に飲むドリンクの選択肢を減らす」といった簡単なことでもいいでしょう。そのつど自動販売機に足を運ぶとどうしても、目の前に並ぶ多くの商品から「選択」と「判断」を迫られます。そこで、あらかじめ決め打ちしたドリンクをデスクに数本ストックしておき、自分に選択の余地を与えず、ウィルパワーの消費を抑えるわけです。

あるいは、電車の中などで、条件反射的にスマホを開いてしまう習慣をあらため、情報のインプットを意図的に減らすのも有効でしょう。メールやLINEの通知をすべてオフにする時間を作ってもいいかもしれません。ちょっとした工夫で、ウィルパワーを温存することは可能なのです。

『Swingdo』を秘書のように使う

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たとえば、冒頭で述べたスケジュール管理やタスク管理は、多くの選択と判断が必要で、ともすればウィルパワーを無駄に消費しがちな作業です。カレンダーやToDoリストなどを駆使して、スケジュール管理の効率化を図ろうとしている人は多いでしょうが、山積みのタスクが可視化されるばかりで、かえって心理的な負荷になってしまうこともありそう。

そこで今回試してみたのが、タスクの優先順位を自動的に判断してくれる新しいアプリ、『Swingdo』。

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これはスケジュール管理とともに、タスクの工数と期限を設定することで、毎日のワークタイムを概ね適切な優先順位で指示を出してくれる画期的なアプリです。

ダウンロードしてアプリを立ち上げると、Google、iCloud、Outlook、Hotmail、Twitterといった既存のアカウントでログインが可能。煩わしい初期設定の手間が軽減され、いたずらにIDやパスワードを増やさない配慮が、さっそくウィルパワーの節約に貢献してくれています。

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ちなみに今回はGoogleのアカウントを利用。すると、すぐにカレンダーと同期して、今日のスケジュールが表示されました。また、関連アプリ『Swingmail』との併用で、メールもここからアクセスでき、タスクに紐づくメールが自動で表示される親切設計。

ToDo一覧にカレンダー、メールも合わせて表示されるので、いちいち複数のアプリを開かなくていいのは、じつに嬉しいポイントです。

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返信していないメールをピックアップして教えてくれる点も、ディスコミュニケーション回避に大いに役立ちそう。このメール社会において、「返信忘れ」はトラブルの元。痛い目にあったことのある人は少なくないでしょう。

こうして使い続けるうちに、『Swingdo』自身がスケジュールの傾向を学習し、優先順位の判断精度は上がっていきます。いわば秘書のような存在と言えるかもしれません。何も考えずして、今やるべきことを的確に判断し、指示を出してくれるのですから、その分のリソースをすべて実務に注ぎ込むことができます。その結果、作業効率は確実に向上するでしょう。

ウィルパワーの節約で向上した作業効率

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直感的に操作できるインターフェースも印象的。完了したタスクは、指先で右方向にスーッとスライドさせれば、「Done一覧」のフォルダに格納されます。誤操作の場合、同じように「Done一覧」から矢印を押すだけで、再びタスクに復帰。非常にわかりやすい仕様です。

また、アカウントは追加可能。たとえばTwitterのアカウントを登録しておけば、TwitterのDMも『Swingdo』の管理対象に。SNSで仕事関係の連絡と取り合う機会も少なくない昨今、かゆいところに手が届く便利な機能と言えます。

恥ずかしながら、これまでは目先のミッションをがむしゃらに片付けるばかりであったため、遅延や作業漏れなどのミステイクが日常的に頻発していました。しかし、『Swingdo』にタスク管理を任せるようになってから、実作業に正確性が増し、気持ちにゆとりが生まれたように感じます。これが、ウィルパワー節約の効果なのでしょう。

周囲に目を向ける余裕が生じた分、これまで見えていなかった新たな発見が得られるかもしれません。もしかすると、思いがけないビジネスのヒントに出会うことも...? タスク管理はアプリにアウトソースする。これこそ、これからのビジネスパーソンの定番スタイルと言えるでしょう。

2月後半には『Swingdo』のウェブ版が出るそうです。オフィスや自宅、外出先など利用シーンに合わせて、PCとスマホを使い分けられるのは嬉しいですね。

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(友清 哲)

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