平成24年4月13日
次世代により良い状態で国土を引き継ぐこと(持続可能な国土管理)の実現に向けた取組を進めるうえで、所有者の分からない土地の存在は大きな問題※1です。この度、居住地とは異なる市町村に農地・森林を所有している方(不在村所有者)を対象としたインターネットアンケート調査※2を実施し、特に、相続時に登記や届け出等の手続きを何も行っておらず、農地・森林の所在地からみると、所在の把握が難しい土地所有者(相続時未手続所有者)の実態を把握しましたので公表します。
1 アンケート調査の主な結果
・ 不在村所有者の16.4%が相続時未手続所有者
・ 不在村所有者のうち、所有地を放置しても問題ないと考える割合は、農地で31.0%に対して、森林では50.9%と森林で特に高い
・ 相続時未手続所有者では、所有地を放置しても問題ないと考える割合が農地で41.0%、森林で59.2%を占めるのに対し、登記や届け出等の手続きを行っている所有者では農地で21.0%、森林で32.7%にとどまる
・ 不在村所有者の農地の43.5%、森林の78.2%が放置されており、森林において放置が顕著
・ 不在村所有者の相続時の相談相手は親族(農地48.9%、森林34.5%)、司法書士(農地16.3%、森林14.6%)、所有地のある市町村窓口(農地10.2%、森林12.0%)が上位に位置する
・ 相続時の届出義務化の認知度は19.4%にとどまる
・ 不在村所有者が所有地の存在を強く意識する機会は、「固定資産税の納付書が送られてきたとき」が最も多く(農地53.4%、森林38.6%)、次いで「年末年始やお盆などに帰省したとき」(農地40.9%、森林27.2%)、所有地側から案内や通知が届いた際(農地23.3%、森林24.1%)となっている 等
2 パンフレットと解説書の試作版の作成
土地の所有者が分からなくなるのは、主に相続の発生時と考えられます。所有者が分からない土地を増やさないために、相続の機会を捉まえ、農地・森林を相続した方や相続した可能性のある方々に届け出や登記を促すパンフレットと解説書を作成しました。今後、関係各者にご協力いただきながら改良を行い、内容の周知を図っていく予定です。
○ インターネットアンケート調査結果、パンフレットと解説書の試作版は以下のホームページでご覧になることが出来ます。
(http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000020.html)