-はじめに-
「命とは何か」は生物学の研究者の目的です。
21世紀を直前にして大きく発展を遂げた自然科学の分野は「ハップル望遠鏡を打ち上げた天文学」と、「DNA解析を手に入れた生物学」であると言われます。
事実、この20年間の生物学の進歩は一人の生物教師では「生物学」を講義しつくせないほどに多様化してしまいました。
そして、科学技術の進歩は、同時に地球環境を人間の手では回復できそうもないほどに汚染してしまったのです。私たちの回りから、これまでに例を見ないほどに速いスピードで生物の種は絶滅に向かっています。
生物は細胞分裂によって成長と増殖を繰り返し、その起源から現在まで連続的に存続してきました。その一方ででは、細胞の構造や基本代謝系はそれぞれ普遍的であるものの、有性生殖によって多様な生き物を生み出してきました。
生命をもつ星、私たちの宇宙船地球号の青い海と、青い空は海にすむ藻類達によって作り出されたものです。
しかし、 海の汚染が目に見えて進んでおり、汚れてしまった地球環境の回復を、これまでのように海にすむ藻類達に期待することは無理のような気がします。
私の研究室では、植物の形態分類学を基礎としながら、動物植物にこだわることなく、生物の多様性を形態と生活とから見つめ、すこしでも地球環境を救うことができるような研究を目指しています。
自然史研究室 吉崎 誠
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