産経抄

8月8日 中韓の歴史修正主義批判への同調は飯のタネなのか?

 人気作家、誉田哲也さんが剣道少女たちの成長を描く連作小説の6年ぶりの新刊「武士道ジェネレーション」に、大学に進んだ主人公が日本史の初講義に幻滅する場面がある。教授がいきなり慰安婦問題や南京事件を取り上げ、「昨今の歴史修正主義的な考え方」への批判をぶちだしたのだ。

 ▼マズい。この教授、典型的な「自虐史観」の持ち主だ-。気落ちした主人公が学食で友人に「慰安婦として20万人の朝鮮人女性が強制連行されたとか嘘だ」とこぼすと、韓国人らしい男子留学生に「ふざけるな」とからまれる。あくまで物語の世界だが、現実でもありそうだ。

 ▼日本学生支援機構によると、昨年5月時点で日本の大学などに在籍する留学生は13万9185人。うち中国人が7万7792人で韓国人が1万3940人と合わせて3分の2を占める。少子高齢化が進む日本の大学にとっては大切なお客さまである。

 ▼約10年前に取材した南京事件の研究者は当時、「所属する私大の講義では中国批判はできない」と明かした。既にドル箱の中国人留学生は腫れ物扱いとなっており、彼らの機嫌を損ねることは許されないというのだ。

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