「奈良の美」を再発見、奈良県立美術館で特別展

 奈良の歴史や文化財に着想を得た日本画や彫刻を紹介する特別展「奈良礼賛~岡倉天心、フェノロサが愛した近代と奈良の美~」が、奈良市の県立美術館で開かれている。近代美術の原点となった「奈良の美」を、資料展示も交えて探る展示となっている。

 廃仏毀釈や欧化政策の影響で、寺院に伝わる仏像などが相次いで流出した明治初期、現状を憂いた政府は宝物類の調査を開始した。当時、文部省(現・文部科学省)で美術教育や調査保存にあたっていた岡倉天心は、フェノロサとともに来県。2人は飛鳥、天平期の宝物に深い感動を覚え、これらの保存に尽力したという。

 特別展では、2人が再発見した奈良の文化財をもとに、狩野芳崖や横山大観らによって描かれた日本画など、計112点を展示。作品は、宮内庁三の丸尚蔵館や東京国立博物館、奈良国立博物館などから借用した。

 24日まで。期間中は関連イベントも開催される。問い合わせは、県立美術館(電)0742・23・3968。

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