衝撃事件の核心

「恥ずかしい…でも解決したい」探偵が悪用したネット広告の〝裏技〟 アダルトサイト料金請求の被害者心理巧みに突く

インターネット広告を悪用した探偵業者による詐欺事件を受けて、京都府警が開催した対策協議会。消費者庁や検索大手「ヤフー」なども参加した=京都市上京区
インターネット広告を悪用した探偵業者による詐欺事件を受けて、京都府警が開催した対策協議会。消費者庁や検索大手「ヤフー」なども参加した=京都市上京区

突然、アダルトサイトから高額な利用料金を請求されたら-。身に覚えがあってもなくても不安になり、解決方法を探そうとするかもしれない。そうした心理につけ込んだ悪辣(あくらつ)な詐欺グループが摘発された。アダルトサイトとのトラブル解決をうたって契約料名目などで現金をだまし取ったとして、京都府警は4月、詐欺容疑で探偵業者の男らを逮捕した。後に同罪で起訴され、現在は公判中の男らは、インターネットで検索したキーワードに関連して画面に表示される「検索連動型広告」を悪用。自分たちのサイトが上位に表示されるように仕組んでいた。「とにかく早く解決したい」とあせる被害者心理を巧みに突いたネット広告の〝裏技〟とは。

「当社で解決できます」

スマートフォンに1通のショートメールが届いた。開いてみると、《有料動画の未納料金がある》との文字が表示された。

「専門業者に相談する必要がある」と考え、インターネットで「消費者生活センター」などと検索。すると、とある探偵業者のページが見つかった。

さっそく相談窓口として掲載されていた電話番号に電話すると、探偵業者からこう言われた。

「相手が住所を突き止めて、債権回収のために自宅を訪問してきたりすることが多い」

「当社の方で解決できる。今後、そういう請求を一切来ないようにできる」

被害者はその電話ですぐに契約し、5万4千円を指定された口座に振り込んだ。

だが、探偵業者の話は真っ赤な嘘だった。

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