Submit Search
サマータイム実施は不可能である
•
Download as PPTX, PDF
•
138 likes
•
33,108 views
UEHARA, Tetsutaro
Follow
サマータイムの実施がいかに困難かなかなか理解されないので取り急ぎ書いた
Read less
Read more
1 of 11
Download now
Downloaded 167 times
More Related Content
サマータイム実施は不可能である
1.
2020年にあわせた サマータイム実施は 不可能である(Ver.0.1) 立命館大学情報理工学部 上原哲太郎 2018.8.10版
2.
大きな結論から • オリンピックにあわせた2020年までの サマータイムを 社会的な大混乱なく実施することは 不可能 是非ではなく、不可能
3.
何故不可能なのか • 多くの情報システムが「時間」を基準に動作 • この情報システムがあまりにも多い •
政府・自治体の情報システムはもちろん 医療・交通運輸・金融・エネルギー・通信放送・防衛… の重要インフラシステムから 企業内の業務・財務・人事給与等のシステム、 家庭内のテレビ・エアコンなどの家電まで • これらの時間変更の工数が膨大 • 手動設定できるものは手間だがまだマシ • 自動設定するものこそ「正しく自動設定」されるか不明 • しかも特に24時間動作のシステムにおいて 夏時間実施前後で誤動作の可能性が高く要精査 理由が判明しても修正が不可能の場合多々あり
4.
大きな見積もり • 国・自治体や重要インフラ企業の 業務を支える情報システムの修正は 必要性の調査・予算見積と確保・ 設計・修正作業・テスト・実施まで 含めて4~5年は必要と思われる • 民間企業においても最低3年程度は必要 •
個人家庭においては対応不可能な機器が 相当数発見されると思われるが この買い換えを強制することは困難 結果10年程度かけて対応機器に置換え
5.
インフラと民間企業での費用負担 • 重要インフラの調査と対応は少なくとも 3000億円程度は必要と思われる • 民間企業における負担も同程度から倍とみるが B2Bはおそらく受託事業者の保守費の中で 対応を求められるケースが多々出るため 見かけの負担額以上の経済被害が出る しかも代償として日本のICT企業が ますます疲弊し、働き方改革対応や AI/IoT/BDイノベーションを阻害する •
現時点でも消費税と元号対応で疲弊している • 疲弊に伴う経済被害は測定が困難だが甚大と予想 • この時点で経済被害が兆単位に達する
6.
家庭におけるサマータイム対応 :自動で時刻補正するもの • 携帯波で補正する携帯電話やスマホの多くは恐らく大丈夫 • 表示の不具合を避けるためOSの更新が必要の場合あり •
アプリは不具合出るものもある • 地上デジタル放送波を使うものは補正されるが要注意 • テレビ・デジタルレコーダなどは TOTがサマータイムの場合がテストされておらず最悪不具合 • 長波JJYを使う電波時計は多分大丈夫 • 夏時間そのものを広報する仕様にすればよい • 但し要確認(ヘタなDST対応していると不具合出るかも) • 世界時計対応のものは恐らく不具合(JSTの時差固定問題) • GPSやNTP(インターネット時計)はOS等の修正が必要 • パソコンはNTP一応自動で修正されるはず • ただしアプリ類が不具合出る場合がある • そもそもアップデートをしない人たち・企業の対応は? • GPS時計やカーナビ等は要修正 • IoT機器類やネット家電が要修正で、これの対応は大変! • しかしいずれも想定外の不具合が出る可能性 • そもそも多くの場合テストされていないから
7.
家庭におけるサマータイム対応 :手動で時刻補正するもの • 時刻補正の方法が判らず問い合わせが メーカーや役所・消費者センターに 殺到してその対応コストが大変 • 時刻補正せず放置すると問題がある場合 •夜間電力を利用する前提のエコキュートは 放置しておくと夜間電力時間帯以外の 電力を使用するため電気代が上昇
8.
「世論の支持がある」は誤解 • そもそも… •家庭の中の機器全ての時間を修正する手間 •自動補正される機器は夏時間突入時 不具合を起こしたり停止するもの多数 •そのために対応のための修正や 最悪買い換えの負担が発生すること • これを多くの国民は理解していない •
実施すると絶対に 「こんなはずではなかった」になる
9.
「海外は出来ているではないか」 • 多くの国はこれほど情報機器が普及する 前から夏時間に対応しており 多くの機器が夏時間を考慮している •ワンボタンで夏時間に切り替わるなど • そもそも夏時間が習慣として 定着している •
先進国で最近夏時間に移行した国はない
10.
セキュリティ専門家としても 断固として反対 • サマータイム対応のために 多数の機器やソフトウェアの 修正プログラムが配布される • これに紛れて 「あなたのXXは修正が必要です」という 偽の修正プログラムが大量に出回る恐れ •
もちろんそれはマルウェア(ウイルス)入り • 情報漏えいやサイバーテロ準備のbotとして • サマータイム騒ぎは 攻撃者にとって絶好の機会を与える • オリパラで重要な対策項目であったはずの サイバーテロのお膳立てをしてしまう
11.
以下、不具合例を今後追記予定 • 電波時計やGPS時計に何が起きるか • テレビやHDDレコーダの破綻例 •
カーナビの破綻例 • ETCの破綻例 • 戸籍情報システムの破綻例
Download