ドラマにK−POP、料理と韓流ブームが一段と広がる中、韓国製のコスメ(化粧品)が日本女性の熱い視線を集めている。カタツムリの分泌物など一風変わった成分を使うのが特徴。ドラマで見た韓国女優の白くきめ細かい肌にあこがれて手にする人が多いという。日本製品より割安感が強く、買い求めに韓国を訪れる女性も増えている。
■蛇の毒も
2年ほど前から韓国コスメにハマッたという東京都内の会社員、高橋頌子さん(27)は2月初め、友人と2泊3日でソウルに行ってきた。韓国旅行は5回目。「スキンケア用の基礎化粧品は全て韓国製を使っています。半年分くらいまとめて買いました」。お気に入りはカタツムリの分泌物を配合したクリーム。
「寝る前に付けると翌朝に肌がぷるぷるです」
韓国コスメにはカタツムリのほかにも日本ではなじみの薄い成分が入っている。朝鮮ニンジンなど植物から取ったものや、最近では毒蛇の毒の成分を化学的に合成したものも人気で、いずれも肌に良いとされる。
韓国コスメに詳しい美容ライターの上田祥子さんは「韓国では肌がきれいなことが美人の絶対条件。気候が乾燥しているので保湿効果の研究が進んでいる」と解説する。
■多いリピーター
韓国コスメを買うには、韓国企業の日本法人や正規代理店を通じて輸入品を購入したり、並行輸入やネット販売を利用する手もある。最近では韓国で売っている主な商品はほとんど日本で手に入るという。
韓国ブランドの中ではかなり早く2005年に日本に出店した「ミシャ」。11年はカタツムリクリームが人気で売上高は過去最高の約20億円と前年比2割以上伸びた。
「お客さまは20代から70代までと幅広く、リピーターが非常に多い」とミシャジャパン(東京)マーケティング本部の平林綾子さん。首都圏、関西、九州などで二十数店を展開するほか、全国のバラエティーショップなどで販売している。
■トラブルに注意
韓流スターのチャン・グンソクを日本でキャラクターに採用し、昨年4月に販売開始してから人気に火が付いたのが「ネイチャーリパブリック」。1年目は中心商品のコラーゲン入り保湿マスクなど約30品目が約260万個売れた。
全国のドラッグストアなどのほか、低価格品はコンビニのサークルKとサンクスでも販売。輸入代理店のメディカライズ(東京)の新井義実社長は「今年は日本人好みの使用感にした化粧水、乳液などを投入し、前年比で売り上げ倍増を目指す」と意気込む。
一方で、成分が合わず肌のトラブルが起こるケースも。前出の上田さんは「国内で買うなら、日本の薬事法で認められた成分だけを使い、連絡先がはっきりしている正規輸入品を買うのが安心。現地ではサンプルなどで自分の肌に合うか試してみるのも大切」と話している。