日本の主流派経済学者、社会貢献のチャンス逃し信用も失う (1/2ページ)

2015.03.18

 20世紀を代表する経済学者のケインズは、「経済学者は体系書ではなく、時評のパンフレットを書くべきだ」と説いていた。経済的事実は一時的なものであるうえ、社会に役立つことをいうべきだという考えによるものだろう。

 「経済」の元来の意味は、経世済民、つまり「世をおさめ民をすくう」である。であれば、経済学を学んで政策提言し、世の中を少しでもよくしようとするのは経済学者としてはこの上ない喜びだろう。

 日本の主流派経済学者は、これまでデフレ対策や震災復興、そして消費増税に関して政策提言を行ってきたが、残念ながらまともなものは少ない。

 経済学の原理のエッセンスはシンプルだ。カネとモノの関係を考えたとき、カネがモノより相対的に増えれば、相対的に少なくなったモノの希少性が高まり、モノの価格が上がる。これは経済学で「ワルラスの法則」として知られているものだ。だから、カネを増やせば、デフレから脱却できる。こんなシンプルな話を理解できない経済学者は多い。

 東日本大震災後に導入された復興増税は、経済学部や大学院程度で習う「課税平準化理論」からみても間違っている。つまり、一時的な経済ショックがあって財政出動した場合に、増税によってその時点の財政収支を均衡させることは効率性の観点からも望ましくない。むしろ公債発行によって税収と財政支出を一時的に乖離(かいり)させたほうがいい。

 直感的に考えても、100年に1度のショックが起こり、そのための財政支出が必要だというなら、「100年国債」を発行して負担を100年間で分担したほうがいいはずだ。

 

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