銀行のトラウマで日本の土地は動かない マイナス金利と不動産編 (1/2ページ)

2016.03.03

日銀サマ、銀行はマイナス金利でもお金を貸しちゃくれんのですよ
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★マイナス金利と不動産編

 100万円預金していたら、かつては利子で孫への小遣い銭ぐらいは出ていた。ところが、いまは10円そこそこ。確かに、こんな金利じゃ銀行に預けるより、消費や投資に向けたくなる。しかし…。

 日本銀行は民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0・1%の金利を適用した。民間銀行は顧客から預かった預金の一部を日銀に預けて金利を得ていたが、マイナス金利導入により、預けた金額の0・1%分を逆に日銀に対して支払うことになった。1兆円預けて10億円。この政策の狙いは、銀行の貸し出し金利をさらに低くして、消費や企業の設備投資を拡大させること。効果はあるのか。

 「バブルの生き証人」の私がかかわる不動産分野では、住宅ローンを借りたい人、不動産投資をしたい人にとっては朗報だろう。周囲にも「ミニ・バブル到来か」と喜ぶ人もいる。しかし、マイナス金利で銀行にたまっていたカネが世の中に回るのか。

 日本では普通、銀行は土地と建物に抵当権を設定し、返済できないと抵当物件を処分して回収する。それでもローン残債が相殺できない場合、未払い分の返済を求めることになる。つまり、担保物件を売却処分しても借金が残ったら、債務者にはその後も返済の義務が生じる。これを「リコースローン」という。

 一方、「ノンリコースローン」は返済が担保の範囲内に限定される。担保さえ出せば、借金残額は帳消しになる。その分、高めに金利が設定される。企業のメリットは、これまでの事業とは切り離して、新規事業の融資が受けられること。銀行も上乗せした金利で貸し付けることができる。

 

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