ワイド型ディスプレーで人気の高い20~22型クラスの製品は、ほとんどが解像度1680×1050ドット/アスペクト比16:10となっている。パソコン用としては十分な解像度と言えるが、フルHDのデジタル放送やBlu-rayディスクの映像、ゲーム機の高精細画面を楽しむには、解像度がやや物足りない。
そこで最近発売され始めて注目を集めつつあるのが、21.5型のサイズで、フルHDの解像度/アスペクト比を備えたワイドディスプレーだ。コンパクトなサイズとフルHD解像度を両立していて、パソコン用からゲーム、映像鑑賞まで、幅広く使える。
これから盛り上がりそうなこのジャンルに対して、パソコン用ディスプレーの国内最大手である三菱電機も、新製品を引っさげて参入した。それが「MDT221WTF(BK)」である。単なるパソコン用ディスプレーではなく、デジタル放送チューナーまで内蔵した、豪華なスペックを備えた製品だ。
パネルサイズは21.5型で、解像度はフルHD解像度の1920×1080ドット。アスペクト比も液晶テレビと同じ16:9となっている。現在、パソコン用ディスプレーでフルHD解像度以上の製品は、ほぼ24型以上に限られている。机に置きやすい21.5型でフルHD解像度を扱えるのはうれしい。採用する液晶パネルはTN型だ。
解像度の低いゲーム画面などを表示する場合の拡大機能も、「フル」「アスペクト」「2×ズーム」などの多彩なモードを用意(拡大しない「リアル」もあり)。画面のサイズやアスペクト比を気にせず、大きな画面表示で楽しめる。
もうひとつの特徴が、地上/BS/110度CSデジタル放送チューナーを内蔵するところ。単体の液晶テレビとしても利用できるほか、2画面表示機能も備えるので、同社では「ながら視聴も快適」としている。
2画面表示機能は、親画面上に子画面を重ねる方式と、親画面の外に子画面を表示する方式の2通りを選べる。子画面のサイズは3段階、位置も調整できるので、パソコン操作をしながらのテレビのながら見に便利だ。入力ソースも豊富で、HDMI、DVI-D、アナログRGB(D-Sub 15ピン)、D5、S2ビデオなどを備える。これら2画面表示ではこれらの入力+デジタル放送の中から、任意の組み合わせで表示できる(デジタル放送の2番組同時表示はできない)。
画質向上へのこだわりもVISEOらしい特徴だ。映像をリアルタイムに解析して、バックライトを動的に制御することでコントラストを向上させる「CRO」(Contrast Ratio Optimizer)を搭載。2000:1のコントラスト比を実現している(CROオフ時は1000:1)。また、RGB各8bitの信号を10bitに多階調化する「10ビットガンマ」機能を搭載。色の階調をなだらかに表現できる。これらは、単純なパソコン用ディスプレーではあまり見られない機能だ。
また、「ごろ寝見」時に画面を見やすくする機能として、「ルックアップモード」という変わった機能も備えている。TN型の液晶パネルは、視野角(特に上下方向)が弱いと言われるが、ルックアップモードをオンにすると、画面の輝度を動的に変えることで、斜め下(つまりごろ寝視線)から画面を見ても、色が反転したりしない映像を実現する。
これだけいろいろな機能を盛り込んでいるだけに実売価格はやや高め。価格はオープンプライスだが、予想実売価格は8万円前後と想定されている。「1台のディスプレーで、パソコンにテレビ、ゲーム機までなんでもこなしたい。でも画質も気になる」という欲張りな要望にも応える高級機と言えよう。発売日は11月7日。
ゲーマーに人気の24型も新製品登場
同時に、24型のワイド液晶ディスプレー「MDT243WG」「MDT243WG-SB」も発表された。解像度は1920×1200ドット。同じ24型で、広視野角のVA型液晶パネル採用、動画ブレを抑制する「MP ENGINE」の搭載などで、ゲームユーザーを中心に人気の高い高級液晶ディスプレー「MDT242WG」の後継機に当たる。
動画ブレ抑制技術は「MP ENGINEII」に強化。ブレを防ぐ黒挿入を行なうだけでなく、映像に合わせて動的にバックライトを制御することで、MPモード時の輝度を従来機種比で20%向上したという。
DVI-DやアナログRGB、D5だけでなく、HDMI入力も2系統備えるなど、入力端子の豊富さも従来機種ゆずりの特徴だ。
価格はオープンプライスで、予想実売価格は12万円前後。発売日は11月7日。