Athlon-1GHzの登場を尻目に、今、マニア達が必死になって探しているCPUがある。Thunderbird(Slot
A)-750MHzだ。このCPUのうち、製造週が25週の製品に、950MHzのコアが搭載されているという噂が6月末にインターネット上で広がり、先週からショップに問い合わせが殺到しているのだ。
すべてのCPUをチェックしているわけではないので確実なことは言えないが、24週や25週のCPUには900MHzコアや950MHzコアが、26週のCPUには800MHzコアが搭載されているケースがあるという。ショップのなかには、これらを求めるマニアの問い合わせに困り果て、逆に製造週を掲示して、質問を避けようという店まで現れている(本来、ショップでは製造週をいちいち掲示することはない)。
AMDのAthlonプロセッサは、現在Slot A版の旧Athlon、Slot A版のThunderbird、Socket
A版のThunderbirdが存在し、さらにSocket AのDuronがある。Socket A版、つまり462ピンのSocket
Aに差すThunderbirdおよびDuronは、現在のところ、旧Athlonのように倍率変更の方法が明らかにされていないため、クロックアップをしようと思うと、FSBを上げていくしかない。
Slot A版Athlonの“GoldenFingers端子” |
当然、“GoldenFingers”などの端子もないため、*Outside Loop Computers社(http://www.outsideloop.com/)の“Afterburner!”や、Ninja
Micros社(http://www.ninjamicros.com/)の“FreeSpeed
PRO”といったGoldenFingersアダプターを使うわけにもいかない。旧Athlonを買ってきては、せっせと殻割をして倍率変更を行っていたマニアにとっては、物足りなさを感じるのも確かだ。
*Afterburner!やFreeSpeed
Proといった、いわゆるオーバークロッキングカードは、Slot A版のAthlonやThunderbirdにあるGoldenFingers端子に装着して、内部コアクロックの倍率や電圧を変更することができる。
Outside Loop Computers社の“Afterburner!” |
Ninja Micros社の“FreeSpeed PRO” |
しかし、Slot A版のThunderbirdにはGoldenFingersが残っている。しかも、Thunderbirdは2次キャッシュがオンダイになっているため、従来のように2次キャッシュへのアクセススピードがネックになることもなく、高クロックをねらえることも考えられる。もしかしたら、750MHzの製品で夢の1GHzをねらうことができるかも?
である。
さて筆者は、先週からこのCPUを探し回っていたが、25週どころか750MHzのThunderbird(Slot
A)自体がない。毎日、秋葉原に通いつづけ、アキバ名物のじゃんがらラーメンも食べ飽きたころ、やっと某ショップで750MHzを発見!
しかし、24週ものだった。本来であれば、なんとしても25週ものを入手して確かめたかったのだが、当たれば儲けものという気持ちで思い切って購入し、編集部でさっそく*殻割をしてみた。価格は2万3000円ほどだった。もし、750MHzコアであれば自腹覚悟であったため、ドキドキものだ。果たして、中身は……なんと!
900MHzのコアが現れたのだ(涙)。
*殻割:Slot A版のCPU本体を覆っているカバーを外すこと。
“殻割”したThunderbird。旧Athlonにあったコア左右の2次キャッシュはもちろんない |
A900CMRDEAという数字が見える。つまり900MHzコアということだ |
プラスチックに印刷されているNOは210024589302。24という数字が製造週だ |
次回は、いよいよGoldenFingersアダプタを取り付けてクロックアップに挑戦してみる。
。
(※オーバークロックは個人の責任において行なってください。殻割した段階で、当然保証はなくなりますし、最悪システムを破損することもあります。万一なんらかの損害が生じた場合でも、月刊アスキーDOS/V
ISSUE編集部、ascii24編集部は責任は負いません)