【INTERVIEW】Microsoft BizTalk ServerにEAIコンポーネントを提供することが決まった――Viewlocityのマーケティング、テクニカル両ディレクターに訊く
2000年07月18日 00時00分更新
米Viewlocity社は、企業内の情報システム間のメッセージの流れを統合するEAI(Enterprise
Application Integration)ソフトウェア『AMTrix』(アムトリックス)を出荷している企業で、同製品は世界で3200の導入実績があり、そのうちアジア太平洋地域が500を占めているという。
同社は7月18日、19日に東京国際フォーラムで開催されている“SAPPHIRE
2000 Tokyo”にブースを出し、展示を行なっている。ascii24編集部では同会場において、アジア太平洋地域を統括するシンガポールのViewlocity
Asia Pacific社のマーケティングディレクターであるロバート・グローブ(Robert
Grove)氏と、テクニカルディレクターのウルフ・パーソン(Ulf Persson)氏にインタビューを行なった。
――まずはViewlocityについて教えてください
ロバート「Viewlocityは、B2Bのeコマースに焦点を当てています。全世界で3200サイトの導入実績があります。そのうちアジア太平洋地域が500サイトとなっています」
シンガポールのViewlocity Asia Pacific社のマーケティングディレクターであるロバート・グローブ氏 |
「B2Bのサプライチェーンを迅速に実現できなければならないと企業が認識するに至りました。サプライチェーンでは、動きの遅いアプリケーションの速度に左右されて情報が流れていきます。情報が流れきった段階ではその情報がすでに古いといったことも起こり得ます。情報をリアルタイムにシェアしたいという要求が企業にあるのです。それを1つのコネクターで会社のシステム間、またB2Bを結ぶのが『AMTrix』です」
「AMTrixでは、情報の流れを物の流れから切り離し、リアルタイムで流れる仕組みを提供できます。先の問題に直面している業界として、ハイテク産業、物流、製造業があり、それらの業界にフォーカスして、事業を展開しています」
「AMTrixは、“サプライウェブ”の環境を実現できます。グループ内だけのプライベートトレーディングコミュニティーや、広く開かれたパブリックエクスチェンジを実現できるということです。そして将来、その両方が繋がっていくときに、それら間の情報の流れにも利用できるでしょう」
BizTalk Server向け製品を提供
Viewlocityは17日(現地時間)、米マイクロソフト社のBizTalk Serverに、UNIXやAS/400、レガシーなシステムなどとメッセージのやり取りができるコンポーネント“Open Integration Server”(OIS)を提供する予定であると発表した。ロバート「この発表は、マイクロソフトにとって、レガシーなシステムを持っている企業に対して、BizTalk Serverを提供できることを意味しています」
ウルフ「OISは、BizTalk Serverの1つのコンポーネントになります。OISを介して、UNIXやAS/400と通信できます。OISはBizTalk側ではなく、通信する相手側のシステム側に置くこともできます。どちらに置くかはケースバイケースになります。OISという名前は、マイクロソフトの希望でそうなりました。コアの技術は、AMTrixと同じです」
アジア太平洋地域を統括するシンガポールのViewlocity Asia Pacific社のテクニカルディレクターのウルフ・パーソン氏 |
――OISはマイクロソフトが販売するのですか?
ロバート「Viewlocityが販売することになります。リリースの時期については、わが社の方では作業はすでに終わっています。現在、マイクロソフトの方で作業を行なっている段階です。まだBizTalk
Serverがテストの段階ですから、それ次第ということになるでしょう」
――今後メッセージのやり取りの主流はXMLになっていくのでしょうか?
ロバート「私個人が思うには、XMLは万能薬とはならないと思います。大多数の企業では、ほかの通信方法で行なわれるでしょう。独SAP社にも対して、XMLに対応するのは確かにいいことだが、古いほうはどうなるのだ?
という顧客の声があるそうです」
ウルフ「XMLは、各企業や団体がXMLの自分達のバージョンを作っています。これがアプリケーションにとって問題になります。それがきちんと解決されないことには、XMLは前進できないと思います」
日本法人をまもなく設立か?
――Viewlocityの日本での戦略を教えてくださいロバート「日本ではパートナーのカスタム・テクノロジー(株)と協力して展開しています。約12ヵ月をすでに費やしました。パートナーに対して、トレーニングを行なっています。その足場作りも2ヵ月ぐらい前ぐらいから、十分にできたと認識できるに至りました」
――いよいよ日本法人を設立するということですか?
「それも選択肢の1つです。今後に関しては、すでに決定は出ていますが、現在はまだ言えません」
――アジア太平洋地域では日本はどういう位置を占めているのでしょうか?
ロバート「Viewlocityでは、日本市場を非常に真剣に捉えています。なぜなら、グローバルな事業展開を行なっていること、日本経済の回復が追い風になっているからです。また、日本では特にレガシーなシステムが多く残っています。ここでもニーズに合致しています。ここまで12ヵ月をかけたアプローチも、日本の商習慣にあっていたと思います」
「日本での展開はまだまだこれからです。導入が決定するまでは、時間がかかります。それが決まったあとの構築はすぐなのですが……。徐々に導入事例などをお知らせすることができるようになっていくでしょう」
――ありがとうございました