チルト機構を備えた実用指向の「L1」
お次の「L1」は、同じLuxa2シリーズとはいえどマジメな印象。やはり表面にはスワロフスキー製クリスタルガラスが4個あしらわれているが、表面積に占める割合がごくわずかということもあり、M2やM4に比べれば華やかさはない。MacBook Proを載せていなければ、譜面台といわれても気付かない雰囲気だ。
だが、ノートスタンドとしての実用性は高い。台座部分には無段階のチルト機構を採用しており、本体上部やパームレスト部分に若干の力を加えれば、パネル部分の角度が変わる。ツマミやネジの類いは不要で、手を離した位置で角度を固定してくれるのだ。台座部分に外付けキーボードを置くようには設計されていないが、無段階で角度調整できるメリットに比べれば些細な問題といえる。
熱対策が考慮されている点にも好感が持てる。パネル表面には熱伝導素材が貼り付けられており、アルミニウム表面を通じて背面に配置されたデュアルヒートパイプへ熱を逃がしてくれる。MacBook Proを置いていないときの外観はさておき(灰色の熱伝導シールがまるみえ)、実用性重視のギミックであることは確かだろう。
その効果だが、背面の表面温度が約40度に高まった状態のMacBook Proで試したところ、台座の温度が室温相当の26度からスタートし、1分後には28度、2分後には30度、5分後には31度に上昇した。ファンレスながら熱伝導素材とデュアルヒートパイプの効果はある、と判断して差し支えないだろう。
気になったのは、熱伝導素材とMacBook Proとの密着性だ。13インチMacBook ProをL1に置くと、ノート裏面の四隅にあるプラスチック製の突起と、L1の四隅に貼られた熱伝導素材が接してしまう。このせいで、デュアルヒートパイプにつながっている中央部分の熱伝導素材が、MacBook Proの裏面に強く密着しない。
サイズから推定すると、15/17インチのMacBook Proではジャストフィットしそうなだけに、13インチ対策として熱伝導素材の厚みを増すための「座布団」を用意してほしいところ。使ううちに汚れが目立ちそうな部分でもあるだけに、貼り替え用の熱伝導素材が添付されれば、一層ラグジュアリーな気分になれると思うのだがいかがだろうか。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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