Fortress FT03B
●URL:http://www.silverstonetek.com/product.php?pid=291&area=jp
●実売価格:1万8880円前後
思い切った独自設計でコンパクト化を実現
Fortress FT03Bは、micro ATXマザーボード向けの小型ケースだ。一見すると奥行きが一般的なmicro ATX向けケースよりもかなり短く横幅とあまり変わらない。さらに両サイドパネル、前背面にもコネクター類やケーブル差し込み口がないためPCケースには見えず、どちらかというとスタイリッシュなダストボックスや傘立て、喫煙所の大型灰皿という印象を受ける。外観から中がどんな構造になっているのか予想がつかない、異彩を放つケースである。
本体サイズは235(W)×284(D)×487(H)mmで、イメージとしては大きめのキューブ型ケースを立て、さらに上に伸ばしたような感じである。内部素材はスチール製だが、外部パネルは2.5mm厚アルミニウムのため、金属的な美しさもありデザイン性は高い。天頂部分には格子状の樹脂製カバーがあり、唯一ここだけ安っぽい印象を受けるのが少々残念なところだ。
ケース内部もかなり特殊な仕様。まず、天頂と底面に120mm角の冷却ファンが配置され、空気は下から上に流れていくことになる。さらに天頂には拡張カードスロットやリアパネル用スペースがあり、通常ケースではリアに位置するものが天頂になるようマザーボードを取り付ける仕組みだ。
拡張カードは縦向きに装着するため、かなり大型の300mmクラスのビデオカードも装着可能となっている。電源ユニットは底面に設置する仕組みで、奥行き180mmまでのATX電源を装着できる。
3.5インチシャドウベイの位置はどこ?
マザーボードやフロント付近には3.5インチシャドウベイが見あたらない。いったいどこにHDDなどを取り付けるのかというと、マザーボードトレイの裏側に用意されている。このトレイ裏側のスペースはカバーを開けてみなければ気がつかないようなスペースで、限られたスペースを活用する努力のあとが伺える。
用意されているベイの数は3.5インチが3基、2.5インチが1基。うち3.5インチは1基がホットスワップ対応になっており、天頂部分からカートリッジレスでのHDD着脱に対応する。5インチベイがなく、光学ドライブはスリムタイプのスロットインドライブしか使えないのがマイナスポイントであり、導入時は光学ドライブをどうするかをあらかじめ配慮しておきたい。
コンパクトでこれまでにない形状を持ちデザイン性がよく、搭載できるスペックや拡張性も高いなど、他とは違うケースを求める層にかなり魅力的な製品だ。飽きの来ない見た目とハイスペックに対応できる余裕は、長く使うために欠かせない要素であり、3年以上使い続けるポイントを抑えたmicro ATXケースである。
読者プレゼント
今回検証で使用したPCケース3台を、抽選で各1名様にプレゼントいたします(応募締め切り:2011年7月31日)。
なお、製品は編集部で検証および撮影で使用したものになります。新品ではありませんので、破損、傷などによる苦情、返品、交換は編集部、メーカーともに受け付けられませんのでご了承ください。
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