「かふか、かふか!」
ある日、部屋に帰ってきたトモちゃんは満面の笑顔だった。
僕はぺしぺしとクッションを叩いて「どうしたの?」と尋ねてみる(トモちゃんにはにゃあとしか聞こえていないだろうけど)。なんだかんだで僕はトモちゃんの話を聞くのが好きなのだ。
「もうすぐ大学の学園祭があるでしょ。うちはテニスサークルだし、せっかくだからテニスの映画を作ろうって話になって、君なら映画監督できるよねって先輩に言われちゃったの!」
トモちゃんに映画を任せるなんて、その先輩はなんと見る目がな……いや、大胆な人選をしたものだ。トモちゃんにテニス映画を作らせたら、きっと恐竜が絶滅したりイギリスのお城が倒壊するよ?
「友達に何度か『かふかベストコレクションBD』を貸してあげてたでしょ? それを先輩が見て『映像編集のセンスあるね』って褒めてもらえて。……うふ、うふふふふ」
トモちゃん、またも満面の笑顔……というか思い出し笑いである。
「シナリオはもう先輩が書き上げてて、機材もよそから借りてきてくれるって。これからみんなで撮影して、終わったら編集しなきゃ。うまくできたらBlu-ray Disc™に焼いて配布することも考えるって」
ストーリーは別の人が担当と聞いてだいぶ安心した僕だった。トモちゃんが台本を開いたので、僕も膝の上に乗って一緒に読み進めてみる。
内容はテニスサークルを舞台にした青春物だった。シンプルな筋ながら登場人物がそれぞれ個性的で、彼らの悩みにも共感できる。面白いと言っていいんだけど、僕はあえて別の評価をしてみたい──『リア充ばくはつしろ』と。
「かふか、私頑張るからね、立派に監督として一大スペクタクル巨編を作ってみせるよ!」
そう宣言してぐっと拳を握るトモちゃんに、僕は前脚をぺちぺちと打ち合わせて激励を送った。
……でもトモちゃん、その前にもう一度台本を読み直したほうがいい。たぶんそういう話じゃないから。
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