今回のことば
「日本や米国でガムの販売量が落ちているのは、スマホの普及が影響しているという説がある」
(富士通の山本正已社長)
ネットワーク時代がビジネスの概念を変える
富士通が開催した同社最大のプライベートイベント「富士通フォーラム」の初日に、富士通の山本正已社長が、「ビジネス革新と豊かな社会の実現に向けた挑戦 ‐Human Centric Innovation‐」をテーマに基調講演を行った。
講演では、現在の状況を、「ハイパーコネクテッドな時代の到来」と表現しながら、スマートフォンの広がりやソーシャルメディアによって、人がネットワークとつながることが当たり前になってきた現状や、センサーの活用などによって、2020年には500億個以上のモノが、ネットワークにつながるとの予測を示しながら、「いま我々は、すべてのものがつながる時代の入口に立っている。これによって、ビジネスの日常、生活の日常が大きく変わる。これまでにはできないこと、ありえないことが可能になり、圧倒的な競争力を生み出す大きなチャンスであるが生まれる。面白く、エキサイティングな時代になると確信している」と、近未来を予測しみせた。
そして、これはビジネスにも大きな影響を与えると語りながら、「つながる世界によって、機動的な働き方ができるようになってきた。ビジネスのパラダイムシフトが進み、業界の構造、競争の源泉、パワーバランスなどが大きく変わり始めている。変化にいち早く対応し、積極的に活用すれば、大きなアドバンテージが手に入る。攻撃は最大の防御である。これは企業経営にも当てはまる。変化の時代だからこそ、攻めの経営が重要である」とした。
さらに、「富士通の基本戦略は、信頼性の高いICTによって、ビジネスや社会をしっかりと支えていくことになる」とし、「中心となるのは人。富士通は、ヒューマンセントリック・イノベーションを支援する活動を通じて、ビジネス基盤や社会基盤を守り、ICTを生かした新たなイノベーションに挑戦する。ビシネスの革新を実現するテクノロジー、社会課題を解決するテクノロジーに力を注ぐ」と語った。
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