今回のことば
「NECパーソナルコンピュータは、伝統的な日本企業の色合いが強い企業。強いものもあるが、改革すべき点もあり、歪みを是正する必要があった」
(NECパーソナルコンピュータ社長兼レノボ・ジャパン社長の留目真伸氏)
2015年4月1日付けで、NECパーソナルコンピュータ社長およびレノボ・ジャパン社長に、留目真伸氏が就任した。3月26日に行われた社長就任会見(関連記事)では、「和魂洋才」をキーワードに掲げ、生い立ちが異なる2つの企業の特徴を生かし、事業を成長させる姿勢を示したのが印象的だ。
たとえば、「和魂」という観点では、NECパーソナルコンピュータが、長年に渡り、米沢事業場で継続してきたLaVieのこだわりのモノづくり、それを支える日本人の繊細さや勤勉さに基づく、オペレーションの強みをあげてみせる。また、IBM PCの時代から、大和研究所で開発が行われてきたThinkPadも、「和魂」の象徴的存在のひとつだと位置づける。
一方で、「洋才」は、世界トップシェアを持つレノボの強みを生かすことができる点をあげる。
それは圧倒的なボリュームを背景にした調達、生産、流通という点での強みだけでなく、世界ナンバーワンだからこそ実現する有力なパートナーとの連携が可能であること、そして、業界トップの存在として、新たなイノベーションを起こす役割を果たす企業であるといった要素も見逃せない。
その点を含めて、留目社長は「洋才」と表現しているのだ。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ