泥から引きずり出し、外に並べて乾燥させているPC(筆者撮影)
2018年7月、豪雨により各地で土砂災害や浸水被害が発生し、中国地方を中心に甚大な被害をもたらしました。また『晴れの国』で有名な岡山県にある倉敷市真備町では堤防の決壊で河川が氾濫し、2階建て家屋のベランダまで水没した映像が公開され、全国に衝撃を与えました。倉敷在住のライターImaha486さんがその後の状況をお伝えします。(第1回)
●倉敷市真備町へ
豪雨から数日が経過した7月9日、取引先から「水が引いて入れるようになったから、システムが生きているかを確認してほしい」と問い合わせがあり、その翌日に現地に向かいました。
しかし、親や知人の安否確認、救援物資の配送、清掃作業など、様々な理由でやってきた方々の車で周辺道路は渋滞。さらに、真備町へつながる主要道路はすべて警察官が検問をしていて、無関係な人は町に入ることもできません。
どうにか町に入った私の眼前には、土色に染まった風景が広がっていました。
道路脇や畑には大量のがれきが積まれ、ひどい土ぼこりが舞う中、泥の中から貴重品や思い出の品を引っ張り出したり、水没して壊れた機器類を駐車場に運び出したり、皆が黙々と作業を続けている姿が印象的でした。
テレビ局のクルーの姿もありましたが、私としては彼らの精神力の強さに驚くばかりでした。というのも、被災地に足を踏み入れた私はカメラのシャッターを切れなかったのです。それが倫理的な自制心によるものなのか、恐怖によるものなのかはいまだに分かりません。しかし、少なくとも興味本位で写真を残してはならない……そんな空気がそこにはありました。
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