会議室のテレビにWindows OSの画面を映してプレゼンテーションしたい。でもケーブルをつなげるのは少々スマートではない。こんなとき、テレビにApple TVを接続し、Windows OSに「AirParrot」をインストールすれば、画面をWi-Fi経由でテレビに表示できるようになる。
大型の液晶テレビが安価になってきたこともあり、会議室に液晶テレビが置かれるケースも増えてきたようだ。ただ最近のノートPCやタブレットPCは、薄く軽量になった代わりに搭載されているインターフェース類が限られており、液晶テレビに接続するためのHDMIを搭載していなかったり、小型のミニHDMIだったりと、簡単に液晶テレビに接続できないケースもある。iOS(iPhoneやiPadなど)ならば、「Windowsネットワーク管理者のためのiPhone/iPod touch入門 第17回 iPhoneの画面をApple TVでテレビに表示する」で紹介したようにApple TVを利用することで、簡単に液晶テレビに画面を映すことが可能だ。
Windows PCでもApple TVを介して液晶テレビに画面を映せればよいのだが、残念ながらApple TVは、ディスプレー転送技術としてApple独自の「AirPlayミラーリング」しかサポートしていない。Windows PCは、標準でAirPlayミラーリングをサポートしていないため、画面をApple TVを使ってテレビに映すことはできない。余談だが、Windows 8.1ではAirPlayミラーリングと同様のディスプレー転送技術である「Miracast」と呼ぶ標準規格をサポートしたが、新しい規格ということもあり、対応しているWindows PCは限られている(Miracastは、OSだけでなく、ハードウェア側の対応も必要になる)。またMiracastとAirPlayは互換性がなく、それぞれの対応が必要になる。
実は、SquirrelsのAirParrotというソフトウェアをインストールすれば、Windows PCの画面をApple TV経由で液晶テレビに映すことができる。AirParrotは、1ユーザーライセンスで9.99ドル、5ユーザーライセンスで39.99ドルの有償ソフトウェアである。1回の接続につき最大20分間の試用(何度も可能)も可能だ。原稿執筆時点のバージョンはv1.1.7で、第2世代/第3世代のApple TV、Windows XP以降のWindows OS(Windows RTは未対応)、OS X(Mac) 10.6.8以降に対応している。
AirParrotは、Squirrelsのホームページの「Download」をクリックし、インストール先となるOS(Mac/32bit Windows/64bit Windows)を選択し、インストールパッケージをダウンロードする。
Windows OSの場合、AirParrot32.msi(32bit版:約3.2Mbytes)/AirParrot64.msi(64bit版:3.5Mbytes)のいずれかをダウンロードして実行する。「License Agreement」に同意(「I accept the terms in the License Agreement」にチェックを入れて[Install]ボタンをクリックする)するとインストールが完了する。
Apple TVに電源コードとHDMIケーブルを差し、HDMIケーブルをテレビに接続する(有線LANを利用する場合、イーサネットケーブルも接続する)。Apple TVを起動すると設定画面が表示されるので、言語やWi-Fiネットワーク(無線LANの場合)などを設定していく。Apple TVの設定については、前述の「Windowsネットワーク管理者のためのiPhone/iPod touch入門 第17回 iPhoneの画面をApple TVでテレビに表示する」を参照していただきたい。
Apple TV側の設定ができたら、Windows PC側でAirParrotを起動して、画面の転送を行う。具体的には、デスクトップにショートカットアイコンが作成されているので、ダブルクリックしてAirParrotを実行する。初回実行時には、[Windowsセキュリティの重要な警告]ダイアログが表示されるので、「プライベート ネットワーク」のチェックが付いていることを確認して、[アクセスを許可する]ボタンをクリックし、ファイアウォールのブロックを解除する。
起動すると、[Serial Number]ダイアログと[Software Update]ダイアログが表示されるので、まず[Software Update]ダイアログ(自動更新を行うかどうか)の[Check automatically]ボタンまたは[Don't check]ボタンをクリックする。次に[Serial Number]ダイアログで購入済みの場合はシリアル番号を入力して[OK]ボタンを、試用する場合は[Try AirParrot]ボタンをクリックする。
[Try AirParrot]ボタンをクリックした場合、20分間の試用が行える旨が記載された[Running In Trial Mode]ダイアログが表示されるので、[OK]ボタンをクリックして試用を開始する。
[AirParrot]アイコンが通知領域に表示されるので、アイコンを右クリックし、メニューから出力先のApple TVの名前(「Apple TV」など)を選択すれば、Apple TVを経由して液晶テレビにWindows PCの画面が表示されるはずだ。AirParrot(AirPlayミラーリング)は、Windows PCの「表示画面の複製」のみをサポートしており、「表示画面の拡張(セカンドディスプレー)」には対応していない。
すでに接続しているiPhoneやWindows PCがある場合、後から接続したものが優先される。液晶テレビへの出力を終了するには、通知領域の[AirParrot]アイコンの右クリックメニューから[Exit]を選択すればよい。なおTrial Modeで接続した場合、20分が経過すると[Traial Period Over]ダイアログが表示され、AirParrotが終了してしまう。再びAirParrotを起動すれば、試用は可能だが、何回も使うようならば購入した方がよいだろう。
Apple TVは、1万400円(アップルストア価格)と比較的手頃な価格となっている。これを会議室の液晶テレビに接続しておけば、iPhoneなどだけでなく、上述の通りAirParrotを使ってWindows PCでも無線LAN/有線LAN経由で画面を簡単に表示できる。会議室に液晶テレビを設置したのならば、同時にApple TVの導入も検討してみるとよいだろう。
「運用」
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