【2019年6月更新版】Windows OSは、提供開始から10年間のサポート期間が設けられている。この期間を把握しておかないと、システムのリプレース計画などに支障が出かねない。Windows 10では特に複雑になっているので、ここでWindows OSのサポート期間をまとめておく。
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対象OS:Windows 7/8/8.1/10
Windows OSには、5年間の「メインストリームサポート」と、5年間の「延長サポート」というサポート期間(期限)が設定されている。
「メインストリームサポート」と「延長サポート」の主な違いは、下表の通りである。メインストリームサポートと延長サポートでは、セキュリティ関連以外(不具合など)に対する更新プログラムが提供されるか否かが大きな違いとなる。
2020年1月14日には、ついにWindows 7 SP1の延長サポートが終了することになり、セキュリティ更新プログラムの提供が終了する。サポートが終了した状態でも使い続けることは可能だが、セキュリティ更新プログラムが提供されないので、脆弱(ぜいじゃく)性が残った危険な状態となってしまう。コンピュータウイルスなどの攻撃に弱くなるので、できる限り延長サポートが終了する前に、サポート期間内のWindows OSへの移行を行った方がよい。
メインストリームサポート | 延長サポート | サポート終了後 | |
---|---|---|---|
セキュリティ更新プログラムの無償提供 | ○ | ○ | × |
有償サポートインシデント/サポート時間制サポート | ○ | ○ | × |
仕様変更、新機能のリクエスト | ○ | × | × |
セキュリティ関連以外の更新プログラムの無償提供 | ○ | 企業向けの一部のみ対象 | × |
「メインストリームサポート」と「延長サポート」の主な違い |
各Windows OSのサポート期間は以下の通りだ。
OS全体のサポート期間は、前述の通り、提供開始日から「メインストリームサポート」と「延長サポート」の合計10年間なのだが、サービスパックなどの適用状況によっては、それよりも前に終了してしまうことがある(Windows 7の場合、サービスパック1(SP1)を適用していると、2020年1月14日まで延長サポートを受けられるが、適用していないでいると、2013年4月9日《米国時間》でサポートが終了した)。
製品名 | 提供開始日 | メインストリームサポート終了日 | 延長サポート終了日 |
---|---|---|---|
Windows Vista SP2 | 2009年5月26日 | 2012年4月10日 | 2017年4月11日 |
Windows 7 SP1 | 2011年2月22日 | 2015年1月13日 | 2020年1月14日 |
Windows 8 | 2012年10月26日 | 対象外 | 対象外 |
Windows 8.1 | 2013年10月18日 | 2018年1月9日 | 2023年1月10日 |
Windows 10 | 2015年7月29日 | − | − |
各Windows OSの「メインストリームサポート」と「延長サポート」の終了日 Windows 10は最新の機能アップデートを適用していれば、サポートが継続される。 |
Windows 10の場合、「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」という概念が適用されており、半年ごとに新しいバージョン(機能更新プログラム/機能アップデート)が提供される。新しいバージョンが提供されると、それ以前のバージョンのサポートに対する猶予期間が開始され、メインストリームサポートの終了日が決まるようになっている(後述の「LTSC」「LTSB」は除く)。
エディション | 3月の機能更新プログラム | 9月の機能更新プログラム |
---|---|---|
Windows 10 Home/Pro/Pro for Workstations | リリース日から18カ月間(ユーザーの設定によって最新の機能更新プログラムが利用可能になったとき、自動的にインストールされる場合あり) | リリース日から18カ月間(ユーザーの設定によって最新の機能更新プログラムが利用可能になったとき、自動的にインストールされる場合あり) |
Windows 10 Enterprise/Education | リリース日から18カ月間 | リリース日から30カ月間 |
Windows 10の機能更新プログラムとサポート期間の関係 機能更新プログラムは、3月と9月をリリース予定日として、年2回リリースされる。 |
そのため、機能アップデートの適用を行わないでいると、知らない間にセキュリティ更新プログラムの提供が終了し、脆弱性が解消できない状態となってしまうことがある。
このようにWindows 10は少々複雑なので、下表を参考にサポート終了日を把握しておくとよい。表中のバージョンについてはTech TIPS「Windows OSのバージョン番号やビルド番号を確認する方法」を、サポート期間の詳細については、Windows 10 The Latest「複雑怪奇? Windows 10の大型更新とサポート期間を整理する」をそれぞれ参照していただきたい。
バージョン | 提供日 | Home/Pro/Pro for Workstationsのサービス終了日 | Enterprise/Educationのサービス終了日 |
---|---|---|---|
Windows 10(バージョン1507) | 2015年7月29日 | 2017年5月9日 | 2017年5月9日 |
Windows 10 November Update(バージョン1511) | 2015年11月10日 | 2017年10月10日 | 2017年10月10日 |
Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607) | 2016年8月2日 | 2018年4月10日 | 2019年4月9日 |
Windows 10 Creators Update(バージョン1703) | 2017年4月5日* | 2018年10月9日 | 2019年10月8日 |
Windows 10 Fall Creators Update(バージョン1709) | 2017年10月17日 | 2019年4月9日 | 2020年4月14日 |
Windows 10 April 2018 Update(バージョン1803) | 2018年4月30日 | 2019年11月12日 | 2020年11月10日 |
Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809) | 2018年11月13日 | 2020年5月12日 | 2021年5月11日 |
Windows 10 May 2019 Update(バージョン1903) | 2019年5月21日 | 2020年12月8日 | 2020年12月8日 |
Windows 10のサポート終了日 * Windows 10 Creators Update(バージョン1703)のEnterprise/Education/IOT Enterpriseは、2017年4月11日リリース |
Windows 10でも企業向けの長期サービスチャネル(Long Term Servicing Channel:LTSC)/長期サービスブランチ(Long Term Servicing Branch:LTSB)では、Windows 7/8.1と同様、引き続き固定したライフサイクルポリシーを採用しており、各バージョンのサポート期間は以下のようになっている。
バージョン | 提供日 | メインストリームサポートの終了日 | 延長サポートの終了日 |
---|---|---|---|
Windows 10 Enterprise 2015 LTSB | 2015年7月29日 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 |
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB | 2016年8月2日 | 2021年10月12日 | 2026年10月13日 |
Windows 10 Enterprise LTSC 2019 | 2018年11月13日 | 2024年1月9日 | 2029年1月9日 |
Windows 10 Enterprise LTSC/LTSBのサポートライフサイクル |
Windows OSのバージョンとサポート終了日の関係を把握しておくことは、OSのバージョンアップやPCのリプレースなどを計画する際に重要だ。特にWindows 10ではバージョンとサポート終了日が複雑なので、小まめに確認するようにしよう。
■更新履歴
【2019/06/24】Windows 10のライフサイクルポリシー変更を反映しました。
【2017/08/09】初版公開。
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