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AI画像認識サービス10選比較!おすすめフリーツールも

最終更新日:(記事の情報は現在から1日前のものです)
AI画像認識サービスとは、AIによって自動で画像解析やオブジェクト検出を行えるサービスです。画像データを手動で識別する必要がないため、業務効率化や生産性向上につながります。本記事では、AI画像認識サービスの仕組みや機能、選び方のポイント、おすすめ製品などを紹介します。

AI画像認識サービスとは

AI画像認識サービスとは、画像データをAIが解析して内容を識別できるサービスです。画像に含まれているオブジェクトの特徴や形状をもとに、特定の人物や物体を検出したり、どこに何が写っているのかを判別したりできます。また、テキストの読み取りや、ラベルによる情報の分類に対応しているサービスも存在します。

自動的に画像の内容を識別できることから、業務効率化や生産性向上に結び付けられるのがメリットです。このような利点を活かし、AI画像認識サービスは外観検査や異常検知、監視など、さまざまなシーンで活用が進んでいます。

AI画像認識の仕組み

AIによる画像認識技術は、主に機械学習ディープラーニングの仕組みで構成されています。あらかじめコンピューターに大量の画像データをインプットし、データ同士の関連性や法則性をAIに学習させます。すると、AIが未知の画像を見た場合でもその物体が何であるか正確に判断できる仕組みです。

ただし、一つひとつの画像は対象物の大きさも異なれば、角度や明るさにも差があります。そのため、ノイズ除去やオブジェクトの輪郭強調、色合い調整など、より正確に情報を読み取れる処理を施す必要があります。

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AI画像認識サービスが注目されている背景

AI画像認識サービスが注目を集めている背景には、次のような要因が影響しています。

  • 日常生活やビジネスシーンを問わず、画像データを取り扱う機会が増加している
  • 労働力不足の問題を解消するため、単純作業を効率的に処理する仕組みが欠かせない
  • 機械学習やディープラーニングなど、AIの認識精度を高めるための技術発展が加速している

企業にとって、労働力人口の減少や専門人材の不足といった慢性的な問題を解消するには、組織の生産性を改善・向上する取り組みが必要です。AI画像認識サービスを導入すれば、画像データを効率良く解析したうえで、省人化や業務効率化に発展できるため課題解消につながります

また、近年のIT技術の発展により構造化データだけでなく、画像や動画をはじめとする非構造化データを効率良く処理できるようになった点も大きなポイントです。本来であれば、目視でしか判別できなかった非構造化データを、AI画像認識サービスなら機械によって自動的に処理が可能です。

AI画像認識サービスの選び方

AI画像認識サービスには、さまざまな種類があります。複数のAI画像認識サービスを比較し、最適な製品を見つけるには、次のような選定基準を明確にすることが大切です。

  • 認識精度
  • 機能性
  • UIの操作性
  • マルチモーダル対応
  • セキュリティ

認識精度

認識精度とは、AIが画像の内容を正しく読み取れる度合いです。認識精度が高いほど、画像のなかにどのような人物や物体が含まれているか、対象物がどのような特徴を持っているかを正確に検出できます。

認識精度が低い場合、学習データの見直しやプログラムの調整といった手間がかかるため、できるだけ高パフォーマンスのAI画像認識サービスを選ぶことが大切です。認識精度を確認するには、トライアルでパフォーマンスを検証したり、公式サイトで公表されているベンチマークを確認したりするのがおすすめです。

機能性

二つ目の比較要素は機能性です。同じようなAI画像認識サービスでも、製品によって搭載されている機能が異なるため、用途にも差が生まれます。

AI画像認識サービスの代表的な機能としては、大きく「分類」と「検出」の2つに分けられます。

分類とは、画像のなかに何が写っているかを識別する機能です。人物や物体そのものを識別する物体分類と、画像全体の大まかな場面を識別するシーン分類の2種類があります。

一方の検出は、画像内の特定の人物や物体がどこに写っているかを判別する機能です。対象物の特徴とその箇所を特定する物体検出と、対象物が写っている大まかな領域を特定する領域検出の機能に分かれています。

UIの操作性

UIの操作性もAI画像認識サービスを選ぶうえで重要な要素です。操作するためにあまりにも高度な知識や技術が求められるようでは、利用できるユーザーが限られ、ツールがうまく浸透しない可能性も考えられます。そのため、実際にツールを操作して知識がなくても使いやすいAI画像認識サービスを選ぶことが重要です。

操作性を確認するには、一定期間無料でツールを操作できるトライアルやデモを活用すると良いでしょう。期間中は操作性以外に機能性も検証できるため、比較・検討時の大きな判断材料となります。

マルチモーダル対応

マルチモーダルに対応しているAI画像認識サービスでは、画像だけではなくテキストや動画、音声といった複数のデータ形式を同時に処理できます。必須ではないものの、マルチモーダルに対応していれば対応可能な業務範囲が広がるため、現状の課題や目的に応じて要否を判断しましょう。

マルチモーダル対応のAI画像認識サービスでできることは、テキストから画像へと変換したり、画像を音声や動画として出力したりするなどの処理が代表的です。この仕組みを活用することで、防犯カメラによる映像・音声データの解析や、顔認証と静脈認証を組み合わせた本人確認など、さまざまなシーンへと発展できます。

セキュリティ

AI画像認識サービスを選ぶ際はセキュリティも忘れてはなりません。画像データには、顧客・従業員の個人情報に加え、機密情報が含まれているケースがあります。セキュリティレベルの低いAI画像認識サービスを導入することで、重要な情報が漏えいし、大きなトラブルへと発展する可能性も考えられるでしょう。

ツールの安全性を確認するには、公式サイトに記載されているプライバシーポリシーをもとに、提供する情報の公開範囲や保守義務をチェックします。また、データ保護や暗号化といったセキュリティ対策の充実度を確認することも大切です。

【無料版】AI画像認識サービスのおすすめ2選

AI画像認識サービスのなかには、無料で使えるものもあります。有料製品に比べて機能性がやや劣るものの、費用がかからないのがメリットです。無料製品のなかでも、とくにおすすめのAI画像認識サービスを紹介します。

AIメーカー - 2z

AIメーカーとは、エンジニアの2z氏が開発したAIモデル作成サービスです。学習データを用意する、あるいは自動収集した学習データを利用するだけで、短時間かつ簡単にAIモデルを生成できます。また、ほかのユーザーが作成したAIモデルをそのまま利用できるのも特徴です。

特定の画像にラベルを付け、繰り返し学習させられるため、AI画像認識サービスとして活用できます。ほかにも、非構造化データからテキストデータを抽出できるため、文字起こしとしても活用が可能です。

ImageJ - 米国国立精神衛生研究所(NIMH)

ImageJは、米国国立精神衛生研究所(NIMH)が開発した無料のAI画像認識サービスです。オープンソース形式で提供されているため、費用はかかりません。WindowsやmacOSなど、OSを問わずに利用できるのも特徴です。

代表的な機能としては、オブジェクトの識別やセグメンテーション、画像内の長さや面積などの測定、フィルタリングや平滑化といった画像の前処理などがあげられます。マクロによる自動化やプラグインを用いた機能拡張にも対応しています。

【有料版】AI画像認識サービスのおすすめ8選

AI画像認識サービスの、有料のおすすめ製品について特徴や強みを解説します。有料製品は無料製品に比べて機能性やセキュリティに優れているケースが多いため、本格的にAI画像認識サービスを活用する場合におすすめです。

Cloud Vision API - Google

Cloud Vision APIは、Googleが提供する有料のAI画像認識サービスです。物体や顔、テキスト、ロゴ、ランドマークなど、画像内のさまざまな要素を検出できる点に強みがあります。また、画像にラベルを設定すると数百万単位のカテゴリに情報を自動で分類できるのも特徴です。

利用した分だけ料金が請求される従量課金制を採用しているため、機能過多によって費用対効果が悪化する懸念がありません。Cloud Vision APIが搭載されているGoogle Cloudには、ほかにもデータ分析プラットフォームやクラウドコンピューティングなど、100種類以上のサービスが用意されており、それぞれを組み合わせて活用できます。

Azure AI Services - Microsoft

Azure AI Servicesは、Microsoft Azure上で利用できるAIの総合サービスです。画像内の人物や顔、物体、テキストを検出できるVision API、音声のテキスト化や翻訳が可能なSpeech API、テキスト解析に強みを持つLanguage APIなどの機能が用意されています。

APIを活用すれば、外部のシステムやアプリケーションに当該機能を連携できます。上記のとおりAzure AI Servicesには複数のAPI機能があり、それぞれ組み合わせて活用できるのが利点です。Cloud Vision APIと同様、従量課金制を採用しているため、費用対効果の最適化につながります。

Amazon Rekognition - Amazon

Amazon Rekognitionは、AWS(Amazon Web Services)に搭載されているAI画像認識サービスです。AWSもGoogle CloudやMicrosoft Azureと同様、クラウドプラットフォームサービスに位置しており、データ分析プラットフォームやクラウドコンピューティングといった幅広いサービスを組み合わせて利用できる点に特徴があります。

Amazon Rekognitionは、物体検出と領域検出の両機能に対応しています。また、ビジネスや政治、メディアなどから有名人を検出したり、Web上から安全でないコンテンツを特定したりと、独自性の高い検出機能の利用も可能です。

Deeptector - NTTコムウェア株式会社

Deeptectorは、NTTコムウェア株式会社が提供するAI画像認識サービスです。簡易的な操作のみで独自の機械学習モデルを構築できる点に特徴があります。

たとえば、事前に特定の対象物のみを学習させる検出型や、複数のカテゴリから対象物を選択する分類型、正解と不正解のデータを学習させる正例判定型などのモデルが代表的です。現状の課題や目的に合わせて画像認識の判定パターンを選べるため、製品検査や保全、監視など、さまざまなシーンで活用できます。

AIプラス 画像認識AIソリューション - 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト

AIプラス 画像認識AIソリューションは、株式会社日立ソリューションズ・クリエイトが提供するAI画像認識サービスです。数十~百枚程度のサンプル画像を用意することで、短時間かつ簡単に独自のAIモデルを作成できます。

また、汎用的に利用できるパッケージが用意されているのも特徴です。すでに大量の画像をインプットして学習済みのAIモデルを利用できるため、最低1枚のサンプル画像を用意するだけで済みます。画像を登録する際はモバイル端末でも手続きが可能なので、手軽にAI画像認識サービスの仕組みを活用できます。

Human Sensing - 株式会社Lightblue

Human Sensingは、株式会社Lightblueが提供するAI画像認識サービスです。カメラの映像をAIが解析し、特定の人物がどのような動作をしているか、あるいはどのような状態にあるかを自動で判別します。作業現場での安全管理や工程管理を行いたい場合におすすめです。

「人と重機の接触回避」や「階段昇降の安全管理」といった形で、複数のパッケージが用意されています。目的に合わせて適切な料金プランを選択できるため、製品選びの際に起こりがちなミスマッチを回避できるのが利点です。

NEC Advanced Analytics RAPID機械学習 - 日本電気株式会社

NEC Advanced Analytics RAPID機械学習は、日本電気株式会社が提供するAI画像認識サービスです。学習データを登録することで自動的にAIモデルを生成できます。ディープラーニングの仕組みを活用しているため、画像や動画、音声といった非構造化データにも対応が可能です。

画像の検知や分類に特化した「画像解析版」、テキストデータのフィルタリングやマッチングが可能な「マッチング版」、時系列の数値データの分類・回帰に対応した「時系列数値解析版」の3種類のパッケージが用意されています。パッケージ単体のほか、それぞれを組み合わせた活用も可能です。

Maximo Visual Inspection - IBM

Maximo Visual Inspectionは、IBM社が提供するAI画像認識サービスです。UIの使い勝手や操作性に強みを持ちます。専用のAIモデル生成画面にアクセスすると、ドラッグ&ドロップの簡易的な操作のみで独自の機械学習モデルを作成できます。

ディープラーニングの学習モデルをラベル付けを自動化できるのも特徴です。これにより学習時の稼働状況を24時間365日監視できるため、問題の早期発見や適切なリソースへの通知が可能です。

AI画像認識サービスを導入するメリット

AI画像認識サービスを導入するメリットは次のとおりです。

  • 自動化によって業務効率化やコスト削減につながる
  • 目視による確認作業を補完できる
  • さまざまな分野やソリューションに発展できる

自動化によって業務効率化やコスト削減につながる

AI画像認識サービスを利用すると、本来であれば目視での確認が必要だった画像解析作業の自動化が可能です。作業工数そのものを削減できるので業務効率化につながるほか、画像の解析や検出にかかわる人員が最小限で済むため、コスト削減の恩恵ももたらします。

目視による確認作業を補完できる

AI画像認識サービスを利用すれば、目視による確認作業を補完できるのもメリットです。AIは機械学習の方法次第で、目視では発見しにくい対象物を正確に読み取れます。たとえば、医療分野において、MRIやX線の画像から非常に細かい異常を検知可能です。目視での画像識別と組み合わせることで、確認作業の精度を高められます。

さまざまな分野やソリューションに発展できる

AI画像認識サービスは、実際にさまざまなシーンで活用が進んでいます。

業界 活用方法
生産・物流業界 外観検査や異常検知
小売業界 在庫管理や顧客分析
金融業界 詐欺対策や監視

発展可能な分野が広がるほど、AI画像認識サービスにより新たな業務効率化やサービスの価値を創出できる可能性が高まることもメリットです。

AI画像認識サービスを導入するデメリット

AI画像認識サービスを導入するデメリットは次のとおりです。

  • 完璧に認識できるわけではない
  • 新たな法的規制が生じる可能性がある

AIによる画像認識の仕組みを構築するには、ベンダーから製品を購入したり、独自の機械学習モデルを生成するためのシステムを開発したりする必要があります。そのため、購入費や開発費といった初期費用が必要です。運用コストとしては、クラウドサービスの継続的な利用料やライセンス更新料、機械学習モデルの改修費などが発生することもデメリットと言えるでしょう。

その他のデメリットについても詳しく解説します。

完璧に認識できるわけではない

AI技術を導入したからといって、必ずしも正確に画像を認識できるわけではありません。学習データに誤りや偏りがあれば、認識精度にも誤差が生まれます。そのため、誤認識が発生する可能性も踏まえてAI画像認識サービスを導入することが大切です。

対策としては、AI画像認識サービスとあわせて目視によるチェックを行うと良いでしょう。人間とAIによるダブルチェックを行うことで、誤認識のリスクを最小限に抑えられます。また、解析結果に関して専門家に意見を求めるのも方法の一つです。

新たな法的規制が生じる可能性がある

AIに関する法律や規制は世界でも事例の数が少ないことから、環境が完全に整備されていないのが現状です。そのため、将来的に新たな法的規制が生じる可能性も考えられるでしょう。

たとえば、2024年8月1日には、EUでAIモデルや関連するシステムを規制する法律が発効されました。これは、EUに拠点を持たない日本企業にも適用される可能性があります。違反内容によっては高額な制裁金が科されるため、今後の展開には十分に注意が必要です。

AI画像認識サービスの活用事例

AI画像認識サービスを利用する際は、他社の事例を参考にするのがおすすめです。自社が抱えている課題とよく似た事例を探すことで、AI画像認識サービスの具体的な活用方法をイメージしやすくなります。

清水建設株式会社

清水建設株式会社は、建築や設計、土木など、さまざまな事業を展開する総合建設会社です。同社は、土木工事における労働災害の課題を解消するため、AIを用いた危険予知を推進しています。そのために活用したのがAI画像認識サービスです。

具体的には、人の骨格からさまざまな姿勢を推定する骨格推定と、目や鼻などの位置から顔の向きを判定する頭部方向推定の機能を監視カメラに実装できるよう、独自のAIモデルを作成しています。この危険予知の仕組みによって事故を未然に防げるのがポイントです。

出典:LIGHTBLUE「『現場の危険を未然に防ぐ』。AIを活用した清水建設の安全管理システム。」(2025年1月23日閲覧)

JFEスチール株式会社

JFEスチール株式会社は、国内トップクラスの粗鋼生産量を誇る鉄鋼メーカーです。同社では、AI画像認識サービスを導入する以前に、歩行や昇降といった基本行動に起因する作業現場での怪我が多発していました。そこで、労働災害を削減する目的で、画像認識の仕組みを活用した基本行動の再評価に取り組み始めます。

同社が採用したAI画像認識サービスには、作業員が安全な基本行動を遵守できているか、リアルタイムで確認する機能が組み込まれています。ルールを守れていない場合はアラートが発報するため、作業員は意識的にルールに則った行動が可能です。AI画像認識サービスを導入する前と後を比較すると、安全行動遵守率の向上につながっています。

出典:LIGHTBLUE「『労働災害の削減を目指す』。JFEスチールが取り組む、画像解析AIを用いた動作検知システム。」(2025年1月23日閲覧)

AI画像認識サービスを導入して生産性を高めよう

AI画像認識サービスを導入することで、画像の解析やオブジェクトの検出など、いままで人の手を介して行っていた作業を自動的に処理できます。作業工数の削減につながることから、業務効率化や生産性向上に寄与します。

ただし、AI画像認識サービスにはさまざまな種類があるため、製品ごとの特徴や強みを理解したうえで適切なものを選択することが重要です。まずは現状の課題や目的を明らかにしたうえで、しっかりと導入計画を練りましょう。最適な製品を選ぶことで、AI画像認識サービスのメリットを最大限に享受できます。

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