〈中身についてはⅩ氏が決して触れられたくなかったことであり、本稿では言及しない。ただ、Ⅹ氏の告発を握りつぶすためにこれを利用しようとする行為がどうしようもなく卑劣であることは論を俟たない〉
これは、兵庫県の斎藤元彦知事(47)を巡る一連の小誌報道の第一弾となった記事(7月25日号)の中の記述である。〈X氏〉とは、県政に関わる7項目の疑惑を告発する文書を作成し、その後7月7日に自死した元西播磨県民局長のこと。〈中身〉とは、X氏の公用PCの中にあった私的な文章のことだ。
報道後、斎藤氏の失職及び再選など本件を巡る状況は大きく変わったが、小誌のスタンスは当初から変わっていない。だが、まるでそれを逆手にとって報道に対する不信感を煽るような言説が湧きおこっている。小誌がこの公用PCの中身を報じてこなかった理由について質問される機会も増えた今、改めてそうした疑問に答える。
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source : 週刊文春 2024年12月19日号