中国の電気自動車(EV)が内憂外患の様相を強めている。国内は過当競争で失速、輸出には包囲網が敷かれている。だが、EVの世界展開は壮大な野望の序章に過ぎない。中国勢が今、最も力を入れているのは、ソフトウエア定義車両(SDV)だ。SDVは車両の主要機能をソフトによって制御し、完全自動運転を実現する。ソフトの更新で車の価値を高め、自動車産業の稼ぎ方も一変させそうだ。次世代車の競争の本丸、SDV開発の最前線に迫った。(写真=christopherstevenson/stock.adobe.com)
(上海支局 佐伯 真也、薬 文江、大西 孝弘)
CONTENTS
PART1
中国車、93兆円SDV市場を主導
EV不振の裏で進む 車開発の大転換
解説
SDVのキホン
ソフトで車の価値向上 商機が大幅に拡充する
PART2
中国百度がSDV開発に奔走
無人タクシー離陸、多彩な車内エンタメ
PART3
百度・ファーウェイ、特許出願数が急伸
高速開発支える「猛烈」
PART4
BYD・ファーウェイが提携
朝令暮改の中国 日本は脱「成功体験」を