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ミルトン・フリードマンはかつて、「企業の唯一最大の目的は株主利益の最大化である」と主張した。しかし、現代のリーダーの多くが、自社にとってのパーパスとは、世界にポジティブな変化をもたらすことだと考えるようになった。とはいえ、美しい言葉で表現されたパーパスが掲げられていても、それが実効性を持ち、コモングッド(共通善)に貢献できているとは限らない。ベスト・バイの会長兼CEOとして同社を復活に導いた筆者は、パーパスには「なぜ」の追求が欠かせないと指摘する。本稿では、同社でパーパス制定に取り組んだ経験から、適切なパーパスを見出すための5つの方針について論じる。
2015年にベスト・バイの会長に就任(同社のCEO職と兼任)してすぐ、筆者はすべての取締役を訪問することにした。ミシガン州では、当時ドミノ・ピザのCEOだったパトリック・ドイルと、彼の同僚の一人と対面した。
この訪問で最も印象的で、ベスト・バイに最大のインパクトを与えることになったのが、議論の最後にパトリックの同僚から投げかけられた質問だった。