同名のシステム・アイテム
これらについては『東方Project』におけるスペルカードの記述の後にて記述します。
『東方Project』のスペルカード
- 弾幕シューティングゲーム『東方Project』のゲームシステム
- 『東方Project』内の設定『スペルカードルール』に使う技や契約書
のことである。
キャラクターがスペルカードを使っているイラストにこのタグは付与される。
◆ゲームシステムとしてのスペルカード
ケースにより攻撃形態こそ異なるものの広範囲に攻撃する点は共通しており、
同じカード名ならば見た目は相似している為、どのケースで使用しても(設定上は)同一の攻撃とみなされる。
(ただし、後述の『取得』については難易度ごとに別の攻撃とみなし、取得回数も別個に計算される)
pixivでも『どのケースで使用されたか』をタグで厳密に定義することは少ない。とはいえ、ゲーム中でスペルカードが使用される状況はもっぱら2.であり、見た目の派手さから2.のケースで描かれることが多い。
◆決闘とスペルカードについて
幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段。『殺し合い』を『遊び』に変えるルールであり、霧雨魔理沙曰く「この世でもっとも無駄なゲーム」。
「弾幕ごっこ」と呼ばれることもあるが、攻撃が弾に限定されることもなく、スペルカードの技が弾幕である必要もない。実際、伊吹萃香や比那名居天子などの一部のスペルカードは魔理沙から「弾幕ではない」と批評されている。
手加減をしてるわけではなく、本気で戦闘はしている。
ただあくまで「ルールの範囲内で」であり、絶対に勝たなければならない、負けられないなどの意気込みがないだけである。
死者が出ることもあるものの、あくまで遊びである。
決闘を開始するには、
- カードを使う回数を宣言する。
- 技を使う際には「カード宣言」をする。
宣言が必要とされるため、不意打ちによる攻撃は出来ない。尚、「カード宣言」は叫ぶ必要は無く、技の名前を言う必要もない。
相手がカード宣言したと分かればよいのである。
その他、細かな取り決めでは
- 決闘(弾幕)の美しさに意味を持たせる。攻撃より人に見せることが重要。
- 意味の無い攻撃はしてはいけない。
- 体力が尽きるか、すべての技が相手に攻略されると負けになる。
- このルールで戦い、負けた場合は負けを認める。余力があっても戦うことはできない。
美しさに重点が置かれていて、単純な実力を競うよりも精神的な勝負という面が大きい。ガッツが尽きても負けである(原作ゲームで、敵・味方の残機とされるものはガッツ)。
これが弾幕ごっこである。
それぞれが思い思いの美しさを表現してこの精神的な勝負を繰り広げるため、
後述のように、使用する人物ごとにスペルカードには多様な個性が生まれることとなる。
魔理沙は「スペルカードを見るとその人となりが判る」とも述べている(『グリモワールオブマリサ』)。
スペルカードルールに限った話ではないが、妖怪は体力が桁違いであるため、決闘の際には時間制限を定めることが推奨されている。また実際に原作ゲーム内でもスペルカードには制限時間が設定されており、その時間いっぱい弾を避けきるか、時間内に相手の体力を削り切ることとなる。
なお、スペルカードルールには「命名決闘法案」という原案があり、
「幻想郷縁起」に、稗田阿求によるある疑問とともにその原案紙が掲載されている(『東方求聞史紀』)。
◆スペルカードそのものについて
あらかじめ技の名前と、その技名を体現した技をいくつか考えておき、技名を契約書形式に記した紙を任意の枚数所持しておくことになる。この契約書を「スペルカード」と呼ぶ。
スペルカード名を宣言して発動するのがスペルカードルールであるが、このカード自体には何の力もない。
必殺技や切り札のアイテムであるかのように思われることもあるが、実際はただの紙である。つまり弾幕とスペルカードで発現する現象は全て個人の能力によるものであり、他人のスペルカードを借りたから他人の弾幕が使えるといったことは基本的にない。
弾幕について
前述の通り、攻撃より美しさに重点が置かれる。ただし当たり所によっては死ぬこともある。
スペルカードルールの目的の一つに「完全な実力主義」の否定があるため、隙間のないように撃たれた攻撃や速く大きな弾を放つ攻撃など、最も使いやすく、最も効果的な攻撃は弾幕としては使えない。
ただし、東方文花帖などで登場する一部のスペルカードにはほとんど回避不可能な弾幕も使用されている。更には、弾幕アマノジャクに於いては、一時的だが相手に避けさせる気のない弾幕を許可したというストーリーが描かれている。
(東方文花帖の自機である射命丸文は弾幕を切り取る写真機を持っているので、隙間無い弾幕も回避可能であるためだと思われる。つまり「現在の対戦相手にとって」回避不可能な攻撃が制限されるのであり、制限の度合いは相手の力量や能力に依存する)
また、弾として使用出来るものは御札、金平糖、氷の粒、泥、ナイフ、血、埃、蟲、天井、火、花、木の葉、オンバシラ、携帯電話、レーザーなど幅広く、制限はないようだ。また、前述のようにダイレクトアタックしてくるものもいる。弾幕である必要すらないのかもしれない。
◆取得について
制限時間内に、ノーボムノーミスで相手ライフを削りきることを「取得」という。
スペルカード取得のスコアは時間がたつにつれて減っていくので、早く取得するほど高スコアになりやすい。しかし中には相手の弾幕をかすることでスコアを上げることができる作品もあり、制限時間いっぱい弾をかすり続けるほうが高いスコアを取得できることもある。また弾幕の難易度が高いほど取得スコアも高い。一定のスコアを取得する事に残機が増え、有利になる。
このように逃げてばかりではスコアが下がるなど効果も薄く、不利になることが多いのだが、後述する耐久型では話が違ってくる。
◆耐久型スペルカードについて
一部には、相手の防御力が非常に高かったり相手がいなくなったり無敵状態になっていたりすることもある。これを「逃げ切りタイプ」または「耐久型」スペルカードという。
このタイプの取得スコアは時間がたっても減ることは無い。
これを取得するには、「逃げるが勝ち」のまんまに制限時間内は常に逃げ続けなければならない。もちろん、逃げ続けたとしてもこちらがボムなどを使えば取得は失敗となる。
なお、藤原妹紅の「パゼストバイフェニックス」というスペルカードは耐久スペルであるが、このスペルのみ禁呪の詠唱チームの通称『マリス砲』を使うことによって裏技的に相手ライフを削り取る方法での取得も可能である。
先述の『萃夢想』のような黄昏フロンティアとの共作作品である弾幕アクションのストーリーモードなどではSTGに見られるような耐久型ではなく相手方の着弾判定が機能し続けるものが多いが、『東方深秘録』の豊聡耳神子の怪ラストワードである<*世紀の怪人赤マント靑マント*>など、判定を得るために攻撃などとは別に手続きを要する(例えば当該のものでは出現する特定のオブジェクトに複数回接触して「オカルトゲージを削り切る」など)ものもある。
聖白蓮にみる『東方深秘録』の<*ターボババァ走死走愛*>の画面外走行中や、PS4版『深秘録』EXTRAにおける<超人「聖白蓮」>の加速・包囲攻撃中など、特殊な攻撃モーション中は完全に判定が消失するものもある。
クリアまでが完全に耐久型となるものもあり、PS4版『深秘録』EXTRAの妹紅の怪ラストワードである<「この何度目かの命、燃え尽きるまで」>最後半など、妹紅の弾幕の放出と引き換えに減少する妹紅側のライフが尽きるまでその猛攻を回避と防御で耐え抜くというものもある。
◆枚数について
ボスキャラクターのスペルはステージごとでおおよそ枚数が決まっており、基本的には1ボスは2枚、2ボスと3ボスと神霊廟以降の4ボスは3枚、神霊廟までの4ボスと5ボスは4枚、地霊殿までのラスボスは5枚、星蓮船以降のラスボスは6、7枚、Exボスは10枚、Phボスの八雲紫は11枚となっている。
また作品によっては難易度によって枚数が増える場合もある。
◆弾幕以外の演出について
ボスキャラクターのスペルカード宣言時には、背景が専用のものに切り替わる。
基本的には、作品ごとに若干の差異があるが、キャラごとに違った固有のスペルカード背景が設けられている。(例えば、博麗霊夢なら陰陽玉、霧雨魔理沙なら魔法陣。しかし、チルノやフランドール・スカーレットなど、後続作品にて背景が大きく変更されたものもある)
中ボスである関係、また姉妹や数人組である影響などで他のキャラと背景が同じになっていることもある。
EXキャラクターのスペルカード背景は、使用者本人の姿や顔がドアップになっているものが多かったが、『星蓮船』以降は本人の姿は背景にならなくなり、『弾幕アマノジャク』では過去に登場したEXボスの中で藤原妹紅のみが背景から立ち絵が無くなっている。
また、宣言時にスペルカードを使用したキャラクターのカットインが表示される。(演出や作品によっては省かれている場合もある)
作品によってカットイン演出は異なり、
- 『紅魔郷』は画面右のみ、『妖々夢』と『永夜抄』は上から下
- 『風神録』は画面右→中央下→中央上
- 『地霊殿』以降は下記の例外を除き右上から左下
- 空、純狐、EX隠岐奈は下から上、合同スペルの二童子は上から下、白蓮は左から右、清蘭は左上から右下
またカットインは、新規キャラでない場合に使い回しが起きやすい(『永夜抄の、ラストワード時の八雲紫もそうだが、この時は色違いになっている)。また、同じ作品であるが、カットインにポーズや表情が数種類用意されているキャラもいる。(魂魄妖夢やフランドールなど)
なお、『東方文花帖』系列の作品においてはカットインが存在しない。(このため、犬走椛はスペルカードを持っていても公式絵が不明になっている)
『東方地霊殿』以降では、相手ライフを削り取ったときに撃破(または取得)時間が表記されるようになった。
◆その他
- スペルカードルール以外にも色々な決闘法が作られたが、弾幕の美しさと多様さが大好評であったため、他の決闘法はあまり使われていない。
- 本気で殺し合うとなれば、スペルカードや弾幕のような手加減はされない。
◆原作者ZUNによる解説
以下の記述は、公式サイトにあった幻想掲示板(今は閉鎖中)における書き込みの一部。
(Q&A形式)
東方では本気の殺し合いはしていません。だからスペルカードの様なシステムが許されるのです。
Q.一部のキャラは本気なのではないかと私も思うのですが・・・
A.本気もゲームのうちですよ。
大事な事は、騒動の動機が大した事ではない、と言う事に尽きるかなと。
だから、失敗しようがなんだろうが良いんですよ。
Q.確か(中略)という一大事を阻止するためではなかったでしょうか?(・・;
A.ああ、それはちょっと勘違いです。
騒動の動機、と言うのは騒動を起こした妖怪側の動機の事です。
仕様が無いので霊夢達は負けても幾らでも再挑戦しますが、妖怪側は負けても再挑戦はしないし
勝負結果に執着しないし・・・、はっきり言ってしまえばどうでも良い事なんですよ^^;
Q.ちょっと疑問なんですがレミリアと霊夢も遊びだったんですか?(^^;
A.本気で戦闘はしますが、本気で勝とう、もしくは勝たなければ、と言った真剣さは余りありません。
だから、戦闘終了後にもその戦闘のしこりを残したりはしません。(素敵です)
(ちなみに、妖精精霊その他は人間より弱小ですが、次から次と沸いてくるので平気で倒されたりします^^;)
Q.生と死のギリギリの境目の恐怖を、直接直で楽しむための戦闘様式ですかねぇ。
A.そんな殺伐とした東方はちょっと嫌です^^;
実際、人間が死の淵を楽しめるのかなぁ。漫画とかだと常套だけど・・・
むしろ東方はプロレスの様な物ですよ。スペルカードはプロレス技。
プロレスラーはいくらぶっ殺すぞ!とか叫んでも、人気の無い夜道で襲ったりはしないんです。
だから殺伐とした野次の飛び交う試合を、楽しんで見れるんですよ。
Q.もし本気で殺す気なら『1ドットも隙間の無い横1列の弾』を撃てばアッサリ事足りてしまうわけですからね(笑
A.私なら食事に毒を盛りますよ。
Q.「弾幕ごっこ」とはいいますが、普通投げナイフにあたったら死ぬと思いますがどうなんですか
A.これはね――当たり所次第だね
でも結構ね……結構死ぬんだよね。
当たり所によっては相殺されるけれども。実はかするくらいで済む
……まあね、当たれば死ぬけどね
弾幕ごっことかいってるけど……死ぬよ?
Q.これも彼女達にとっては平和的解決方法なのでしょうか?
A.平和的ってそういう意味ではないですよ^^;
負けは負けと認めなければいけない。決して不意打ちしたり、結果に
不平を言ったりしてはならないんですよ。
勿論、殺すことも可能ですが、平和ですよ。
Q.やはり幻想郷は平和なんでしょうか?
A.平和なんだけどかなり危ういですね。
人間らしいドロドロしたやり取りが一切無い平和です。
ちょっと傾いたり穴でも空いてしまえば、サラサラ血さながらきれいさっぱり流れてしまう。健康。
他の発言はWeb archiveで辿ることができる。
◆関連イラスト
◆関連タグ
東方Project 弾幕 弾幕ごっこ グリモワールオブマリサ
各キャラクターの持つスペルカードについては該当キャラの記事を参照。
表記揺れ
女神異聞録ペルソナのスペルカード
それぞれの悪魔固有のスペルカードであり女神転生で仲魔にしたのと似ているが、このスペルカードで召喚されるのは『交渉を行った悪魔』であり、まだ『ペルソナ』ではない。
『ベルベットルーム』でスペルカードを2枚使い召喚した悪魔を合体することでペルソナになる。
ペルソナそのものの能力や効果についてはペルソナの記事を参照の事。
P2 以降は悪魔固有ではないタロットカードに変更された。
(悪魔に個別に大アルカナが設定されており、敵のLvに応じて貰える枚数が上下する。ちなみに、P3以降にバトル後にランダムでカードシャッフルが起こるシステムが追加され、その際に小アルカナも登場しキャラ別に設定されたコミュにも大アルカナが設定されている。)
関連タグ
カルドセプト ボードゲーム RPG 女神異聞録ペルソナ 悪魔合体 ペルソナ合体