たにたに

ホテル・ルワンダのたにたにのレビュー・感想・評価

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)
3.8
2024年48本目

1994年、アフリカのルワンダで起きた、フツ族の過激派によるツチ族の大量虐殺。

主人公ポール(ドン・チードル)はフツ族の穏健派でありながら、過激派から人々を守るためホテルに匿い、自らの危険を顧みず多くの人の命を守った。

ホテル経営で貯蓄した金品や紙幣、酒などを利用して過激派との交渉に踏み出し、突きつけられる銃から命を守り、食料などを手に入れホテルに匿うお客さんに支給した。

彼の奥さんがツチ族であり、幾度となく命の危機を迎えるシーンがあります。
国連先導のトラックがいたとしても過激派は襲ってくる。救いはあるのかと絶望を感じた。

ポールも覚悟を決めており、奥さんタチアナとともに過ごす夜には、
民兵がホテルに乗り込んできたら、"屋上に子供たちと行って飛び降りなさい"という約束を彼女とします。殺されるよりマシだと。
なんとも言葉にならないシーンです。

驚くのは個人がIDカードを持っており、ツチとかフツとか書いてあること。どうやら19世紀末のベルギー植民地時代の名残りであるようだが、こうして差別が歴史的に生み出されてしまい、長い歴史のなかでさらにその差別が醸成され、同じ国の同じ人種の人々が不必要に内戦を行なってしまったわけです。

これは今でも地球上で起きていることです。
どちらが良いとか悪いとか、どちらが優れて劣っているとか決めなきゃならないんでしょうか。どうして戦いは終わらないのか。考えていきたいテーマです。
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