密林亭半魚人

吸血狼男の密林亭半魚人のレビュー・感想・評価

吸血狼男(1961年製作の映画)
4.0
 怪奇映画の名門ハマー・フィルムによる狼男映画。呪われた宿命を以て生まれた男、レオンの悲劇。クライマックスまで怪物の全貌を見せないという、怪物映画では失敗しがちな手法ではありますが、途中、怪物映画であることを忘れてしまうほどに物語は重厚かつ扇情的に展開。ラストの10数分にわたる街中のパニックシーンは圧巻の一語に尽きます。
 興行的には関係者がトラウマになるほどの不振だったようで、以後ハマー・プロでは狼男物は禁忌になったとか。ハマー・ホラー最後期の『Demons of the Mind』(1972)の初期稿が狼男物だったところ、ハマー側から狼男の要素を排除する指示が出されたとも。