RIO

どん底のRIOのレビュー・感想・評価

どん底(1936年製作の映画)
4.1
排他的な生き方をしているわりに なかなか消えない情熱の炎
現実の冷たさの境遇にいるどん底の毎日

貧しくて何もない人達 
その中にふわりとした上品さがある
人間らしさが凝縮しています皆の会話が面白い

俳優陣が粒ぞろい
若いな!ジャン・ギャバン

螺旋階段を降りるようにグルグル落ちていく男爵をフランスの舞台俳優ルイ・ジューヴェが演じてる
鷹のような鋭い目 
シガレットの火を擦る姿 渋い
貴族のその身のこなし得体の知れない魅力
凄いな なんだろう あの余裕は独特の存在感です 
自由な人間の生き方の象徴みたい

負債で財産を差し押さえられてしまったとしても生きることが惨めなはずなのに失われない気品

男爵とぺペㇽの人生が交差する
世の中のどん底で生きながらそこから脱出できるのか誰にもわからない

ペペルと男爵は人間らしく生きていて
愛情があちこちに散らばっている

マクシム・ゴーリキーの戯曲「どん底 ―Les bas-fonds」
1902年から30年を経てジャン・ルノワールが苦しい人々の感情を情緒的に映し込んでる

黒澤明監督は原作のままにルノワールは原作からかなり離れたストーリーにした
ゴーリキーはその書き換えられたシナリオを気に入っていたそうです

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