Maoryu

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のMaoryuのレビュー・感想・評価

4.5
パリへ向かう列車でジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌ(ジュリー・デルピー)が出会い、意気投合した2人はウィーンで途中下車して、街を散策する。会話は途切れず、お互いへの想いが深まるが、朝にはそれぞれの生活に戻るための別れが待っていた。

リチャード・リンクレイター監督、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーによる、もはや伝説的なラブストーリー。
観るのは確か4回目だけど、主演の2人が若くてめちゃくちゃ可愛い!特にイーサンは幼さも感じさせる。

脚本はあったのかと疑いたくなるほど2人の会話が自然で、沈黙の居心地の悪さも含めて引き込まれる。
ジェシーの “いい夫と父親になりたいけど、何かを成し遂げる方が大切じゃないかと迷う” ってセリフに、セリーヌの “神は人と人との僅かな空間にいて、魔法は人と人とが理解し合おうとする力よ” なんて、詩的で美しい言葉が輝いている。

夜が明けて、現実に戻ってしまった街を手を繋いで歩く場面がすっごく好きだったなー。
メールやSNSで簡単に繋がれない時代の、切ない始まりと終わり。これはもう現代では味わえない感覚で、この時代を知ってて良かった!って思っちゃった。

面白いことに、自分の年齢とともに作品の印象も変わっていく。
若い頃は何より外国を旅する姿に憧れ、その中での出会いが羨ましかったし、あんなふうに離れていく2人に違和感を覚えたっけ。
今回は、この夜の経験がどれだけ貴重か、それこそが人生なんだということを若者たちに分かって欲しい!なんて説教臭いことを考えてしまい、自分の年を感じてしまった。涙
Maoryu

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