似太郎

家族の肖像の似太郎のレビュー・感想・評価

家族の肖像(1974年製作の映画)
4.3
【グッド・バイ】

恐らく『屋根の上のバイオリン弾き』や『グラン・トリノ』と同じく「保守と革新」或いは「世代交代」をテーマに取った作品。ヴィスコンティらしく頑なに近代理念を守るスタンスと、新世代の若者との政治的ディスカッションが見ものでもある作品。

主演したバート・ランカスターとシルヴァーナ・マンガーノが人間臭い演技良かった。貴族ならではの上から目線的な嫌らしさもそこまで感じずヴィスコンティの「私の時代は終わった😢」といった独白映画のようにも見えてくる辺りがキモである。

ジャン・ルノワールの助監督だけあって、画面が悉く絵画的な造形で引き摺り込まれてしまう。ほぼ豪邸の密室でやり取りされる「愛の集会」を淡々と綴った内容となっている。

右翼と左翼、近代と前近代…のそれぞれの対比などがスリリングで、男の愚かさを体現したバート・ランカスター演じる教授を中心とした会話とやり取りが、戦後イタリア🇮🇹の混迷ぶりを反映させているホーム・ドラマ。🍷🥗🦐
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