ビルの谷間じゃロマンスさえも
ゆっくり語る暇がないのさ。
チューバを吹き続けるクーパーがおもしろい!列車内で頭にあるのは相続金のことではなく、故郷の後任のチューバ奏者についてってのがまた笑える!
「君は悩める女性だね」
ジーン・アーサー好きなんだが、ホントにアメリカ女優って感じで大好きなんだが、声がね…魅力に欠ける。高いというかコメディに向いてるエロキューション。でも大好きだ!美しいとか、聡明そうとか、容姿端麗とか、そんなんじゃなくて、人間として一人の女性として愛らしい。
「大作家だが人間的には小さいな」
全てスカッとする話の運び!なんたって公園シーン、これは名場面!
「社交界の令嬢に会ったはずよ きらい?」
「好きになった人はいない。みんな気取ってるからね、君は別だけど。ここの(都会)連中は人間の生き方を忘れてる。昨晩も歩きながら高層ビルを見て思ったんだ。ソーローの言葉だけど、『大宮殿は建てたが入る貴人を造るのを忘れた』」
深いなぁこのセリフ。
キャプラ作品には名科白が多い。
全体的に「スミス都へ行く」みたいだ。
キャプラ監督は決して知的でスマートな監督ではないが、ただ理想主義者なのはわかる!ハッピーエンドになるのが最初からわかるが、なぜかしら、彼の作品を見てると…ふと、人間の淋しさ、人生の虚しさ、世の中の哀れさを感じ悲しくなる、心が孤独で寂しくなる。私だけだろうか。
キャプラ監督は、人間とこの世をしっかりと見つめ続けた偉大なる監督だ。
名匠キャプラ万歳!